■冬こそ正しい鳥獣害対策を!
地域おこし協力隊 阪倉 祐貴
冬季は作物が少ない分、鳥獣被害件数も同時に少なくなります。そんな時期だからこそ私たちが気を付けるべき鳥獣害対策があり、それを気を付けるかどうか次第で来年度の被害が大きく増減してしまうこともあります。
冬は作物を作っていないからと電気を通していない電気柵はありませんか?そのようなところでもシカやイノシシはヒコバエ※を食べに来て、通電していない柵線を怖くないと学習します。また、立派な柵を設置してもそのそばにクズ野菜を捨てていませんか?サルにとってそこは格好の集会場です。私たちにとっては売れないものや捨てるべきクズ野菜であっても、それらは自然界には無い品種改良された高品質な野菜や果物です。その味を知った野生鳥獣はそれらを文字通り「命懸け」でまた食べに来ます。このように電気柵を怖がらなくなったり、美味しい食べ物を知った鳥獣が増えると春以降の被害が増えてしまいます。
その他、無計画な捕獲檻の設置も逆効果です。檻の活用には誘引用のエサが欠かせません。このような大量の食べ物を入れた大型檻を農地の近くに設置しまうと、その農地もエサ場になってしまうためです。一斉捕獲のための大型檻は、農地の無い山間部など設置場所を十分に吟味したうえで運用しなければなりません。そのため農地周辺での対策は、賢い鳥獣に負けないよう正しい防除と追い払いを皆様と一緒に取り組んでいくことが大事です。
柵の設置のお手伝いやその補助金制度の案内など、地域おこし協力隊としてできるところは是非サポートさせていただきますので、どうぞお気軽にお声掛けください。
※ヒコバエ…稲刈りをした後の株から再生した稲のこと。うまく育てば1作目の50%近くのお米が実るとも言われています。
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