■鳥獣害対策の拡大と解決に向かって
集落支援員 髙嶋 淳
鳥獣害対策の現状については次のとおりとなっています。
シカ被害については大きな変動はなく、依然として各地で発生しています。昨年度のシカの捕獲数が多かったこともあり、生息数は増えているような印象です。
イノシシ被害については豚熱の影響からか、生息数や捕獲数もこれまで目立っていなかったのですが、昨年あたりから各地で出没が相次いでいるために警戒が必要です。
サル被害については群れごとの駆除が進んでいることで発生しなくなった地域が広がっています。
鳥や小動物被害については少しずつ減少しているような印象です。
なお、それぞれの対策については実際には手が回っていないのが現状で、これまでの体制を続けることに限界がきていると感じています。
その中でも、過去に制作した遠隔捕獲システムでは確実に成果を上げ続けており、さらに、新たな改良を重ねた結果、より安価で小型化を実現できたことで今後の導入拡大が見込まれます。
人口減少などの影響からか、どの業界も人手不足が進行しているのは鳥獣害対策の分野も同じで、新たな技術を導入することで成果を上げ続けながら業務負担を軽減していく必要があります。
そしてこの度、那智勝浦町の鳥獣害対策の取り組みが評価され、今年度は県内の他の町からもひとつの事業として鳥獣害対策の依頼を受けることになりました。そちらのほうでも成果を導くことで、この鳥獣害対策の取り組みが那智勝浦町から和歌山県全域、そして広範囲に広がっていく可能性があります。
課題解決に動いていながらその課題があることを利用していては、いつまで経っても終わらないまま未来に課題を残し、新たな課題が生まれる不安もあるため、本当の意味での課題解決を目指して鳥獣害の抑制に貢献できるよう、これからも成果を生み出してまいります。
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