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昔から今も残る 高野町内の名所シリーズ(86)

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和歌山県高野町

◆紙四寸岩(しすんいわ)(西郷)

四寸岩は、神谷(かみや)と極楽橋の間の道に横たわる大岩です。高野参詣道の途中にあり、不動坂を経て女人堂、高野山に至ります。昔、登山者はみなこの岩の上を踏んで通ったといいます。

『紀伊国名所図会(きのくにめいしょずえ)』には「止駿岩(しすんいわ)とも書す、或は蟻関(ぎかん)ともいふ、此(この)岩凹(なかくぼ)にして、纔(わずか)に人を通ず、中に長さ四寸(すん)ばかりの足跡に似たるもの一所(ひとところ)あり、往来(おうらい)の人隻脚(かたあし)を斯(ここ)にかけざれば、歩(あゆ)む事なりがたし、故(ゆえ)に世人伝(つた)へて親の足跡を踏(ふ)むといひ習(なら)はせり、馬など通(かよ)ふ事なりがたければ、別に馬道あり、このあたり屡桟(しばしばかけはし)ありて難所(なんしょ)なり、又桜樹多し」と記されています。

この岩には「大師の足跡」といわれる幅が12cmほどのくぼみがあります。ここに足をかけずに歩む事はむずかしいため、親の足跡を踏むという言い習わしがあるということです。通行するには難所で、馬も通ることが出来なかったようで、別に馬道が作られました。

四寸岩の近くには寛政3年(1791)の「あびらうんけん 四寸岩」と記された石標があり、また明治27年(1894)の四寸岩の題額が立てられており、江戸時代から今に残る名所だといえます。

教育委員会

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