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壇上伽藍の11棟の建造物が重要文化財に新たに指定されました

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和歌山県高野町

令和6年10月18日(金)の国の文化審議会の答申を受け、下記の壇上伽藍の11棟の建造物が重要文化財に新規指定されました。

◆金剛峯寺(こんごうぶじ) 9棟(とう)
御影堂(みえどう)、西塔(さいとう)、山王院拝殿(さんのういんはいでん)、山王院鐘楼(さんのういんしょうろう)、准胝堂(じゅんていどう)、宝蔵(ほうぞう)、大会堂(だいえどう)、愛染堂(あいぜんどう)、三昧堂(さんまいどう)
(所在地:高野町大字高野山152番地 所有者:宗教法人金剛峯寺)

◆金剛峯寺金堂(こんごうぶじこんどう)及び根本大塔(こんぽんだいとう) 2棟(とう)
金堂、根本大塔
(所在地:高野町大字高野山152番地 所有者:宗教法人金剛峯寺)

「金剛峯寺」9棟、「金剛峯寺金堂及び根本大塔」2棟の2件11棟の建造物は、高野山の二大聖地の一つである壇上伽藍を構成する建造物群です。壇上伽藍の堂塔は鎌倉時代頃に現在みられる堂塔が整備され、その後、幾多の火災を乗り越え復興し、現在まで伝えられてきました。現在、壇上伽藍に残る建物は、天保14年(1843)の大火によって焼失した後、江戸時代末頃に復興された建造物と近代に復興された建造物によって構成されており、これら堂塔は、配置や構成、規模、形式などは概ね踏襲されています。
御影堂は、奥之院の御廟と並び高野山で最も重要な建造物です。嘉永元年(1848)の再建された方5間の大規模仏堂で、高野山真言宗総本山の御影堂建築に相応しい規模、意匠を有し、高野山のみならず、真言宗の建築を語る上で極めて重要な建物です。西塔は、天保5年(1834)に再建された現存事例の少ない大塔形式の建造物であり、壇上伽藍造営当初から計画された歴史的に重要な建物です。その他、山王院拝殿、大会堂等のどれも意匠等の優れた貴重な建造物です。
金堂及び根本大塔は、創建は高野山開創から間もない9世紀中頃に遡る壇上伽藍の中核的な建造物です。現在の建物は昭和初期に再建され、防火性、耐震性を考慮し鉄骨鉄筋コンクリート造を主体としながらも、周囲を木材で被覆するなど伝統的木造建築の外観となるよう天沼俊一や武田五一らによって設計されました。どちらも破格の規模の建造物であり、高野山を代表する近代建築としても高く評価される貴重な文化財です。
今回、重要文化財に指定された2件11棟の建造物は、昨年度に重要文化財に指定された金剛峯寺本坊1件12棟と共に令和元年~令和4年度にかけて行った高野町教育委員会の建造物調査の取組みが実ったものです。この成果は『高野町の歴史的建造物』という冊子として令和5年3月31日に刊行しており、今年度の建築史学会賞も受賞するなど非常に高く評価されています。
昨年度金剛峯寺本坊が重文指定されるまでは、高野町での建造物の重要文化財指定は、昭和40年の指定を最後に約60年間、新たな指定はありませんでしたが、この調査成果により高野町の重要文化財建造物は17棟から40棟と倍増しました。
この建造物調査を契機として、高野山にある建造物の価値が改めて見直されています。

問合せ:教育委員会
【電話】0736-56-3050

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