高野山の新年行事 修正会(しゅしょうえ)について

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日本仏教の聖地「金剛峯寺」のお坊さんのおはなし

新年あけましておめでとうございます。本年は恙無くみなさまがご息災でありますよう、ご祈念申し上げまして、新年のご挨拶とさせていただきます。
今回は高野山の新年行事として執行されている修正会についてお話ししてまいります。
さて、修正会とは正月の間に国家安穏、天下泰平を祈願し行われる法会です。全国の寺院で正月に行われておりますが、とりわけ高野山に於いてのそれは一風変っておりますので、紹介させていただきます。山内塔頭寺院の僧侶が奥之院灯籠堂・伽藍金堂とそれぞれに集い、毎年正月3日間(伽藍根本大塔は1月5日)国家の安穏を祈る法会ですが、殊に伽藍での修正会は若手から中堅の僧侶が出仕し、この法会でしか唱えることのない声明や牛玉加持(ごおうかじ)など特別なことが行われており、亡者の供養のための法会と異なり堂内が少し明るい気分に包まれるような法会です。式次第の中に曼荼羅諸尊を讃嘆し、また錫杖を用いた声明を唱え、牛玉杖(ごおうづえ)という福杖(ふくづえ)を持って堂内を行道するなど、普段の法会と違い沢山動きがあるため、ご覧いただくだけでも明るい雰囲気を感じられる法会です。
お唱えする経文の中に、正月だけ他の月と異なる文句に替え用いるところがあり、普段は「滅罪(めつざい)」と唱えますが、正月だけは「福寿(ふくじゅ)」とお唱えすることになっています。
これは正月が新しい年を迎え、1年間より良い年になっていくことを願った先人たちの想いが今もなお続いているのですね。冬場の寒さがとても厳しい高野山ですが、是非一度この修正会にご参拝なさってはいかがでしょうか。

問合せ：高野山真言宗 総本山 金剛峯寺
【電話】0736-56-2012