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≪特集≫50代から始めるフレイル予防 高齢者は小太りが健康!?(1)

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埼玉県ふじみ野市

フレイル予防は、高齢者だけでなく50代の人も早い時期から対策することで、高齢期の健康につながります。

◆やせ過ぎは要介護リスク
「高齢者がやせると要介護のリスクが高まる」という驚きのデータがあることを知っていますか。ちまたには、やせるための方法ばかりで、適切に「太る」ための情報は多くありません。もちろん、太り過ぎも要介護リスクを高めてしまいますので、自分にあった適切な体重とBMIを知ることが大切です。やせている人も太っている人も今一度、自分の生活習慣を見直してみませんか。

◆市内の高齢者BMIの現状
高齢者のやせは意外と多く、市内の要介護認定を受けていない高齢者約1万人のBMI調査結果では、太っている人よりもやせている人が多いことがわかります。特に女性ではBMI21・5未満のやせ傾向の人は約4割と肥満傾向の人の2倍です。

◆自分で調べるBMIと適正体重
BMIは、体重と身長から計算できる肥満度を表す体格指数です。自分のBMIが目標とするBMIの範囲内にあるか調べてみましょう。年齢により目標とするBMIは異なります。

◆介護予防・フレイルなどの専門家柴田准教授にお話を伺いました
柴田 亜希(しばた あき)准教授
埼玉県立大学 保健医療福祉学部

○高齢者の「やせ」はなにが危険?
高齢者のやせは、死亡リスクが高くなるため危険です。適正体重よりも体重が下回っている人は、栄養不足なことが多く、筋力量が少ない状態が考えられます。そうすると、転倒や骨折につながり、免疫力も下がっているので、感染症リスクも高くなります。結果的に健康寿命に影響してきますので注意が必要です。

○やせている人が見直すポイントは?
適正体重に近づけるためには、適切な食事と運動が必要です。まずは、しっかりとエネルギーとたんぱく質をとることが大切です。また、普段の生活で運動を行うことで、減少した筋肉量や筋力を取り戻すことができます。

○太りにくい人・食欲がない人はどうしたらよい?
体質や基礎疾患などにより太りにくい人はいます。その場合は、無理に食事量を増やすよりも、食事の内容を見直したり、これ以上やせないように体重を維持することが大切です。1度にたくさん食べられない人は、食事を小分けにしたり、間食を活用してエネルギーを摂取したりするなど、ストレスなく、楽しく食事をできる範囲で工夫してみましょう。

○高齢者におすすめの運動とは?
散歩やウォーキングなどの有酸素運動は、身体を動かすことでお腹が減り、食欲が増すので食事量を増やすためにおすすめです。また、階段の上り下りや椅子に腰かけて立ったり座ったりするなど足腰を鍛える筋力トレーニングを行うことで筋肉量を増やすことができます。

○食事や運動は、どれくらいの期間続けたらよい?
日々の食事と生活の積み重ねが必要なので、3カ月から半年の長期的な期間を目安にして、経過を観察していくことが大切です。食事も運動も楽しくないものは続けることが難しいです。外でおいしいものを食べたり、今の食事にプラスしたりできることからやってみましょう。運動も誰かと一緒に楽しくやれると続けやすいですね。

◆要介護にならないフレイル予防の新常識
市内で要介護と認定された人のBMIについて調査した結果、肥満傾向の人だけでなく、やせている人も要介護になりやすい傾向であることが分かりました。

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