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歴史さんぽ 百三一

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埼玉県ふじみ野市

『原(はら)の稲荷(いなり)と初午(はつうま)』

地域や屋敷でまつられている神様の一つに「稲荷神(いなりしん)」があります。「稲荷」は「稲成(いねな)り・稲生(いな)り」が語源で、穀物や食物の神としてあがめられていましたが、やがて商売繁盛、家内安全、開運、防火などにもご利益がある神となりました。
大井武蔵野地区にある原会館の近くには「原の稲荷(武蔵野稲荷・権八(ごんぱち)稲荷)」があります。原の稲荷には、稲荷神の使いとされる白いキツネの置物がたくさん奉納され、多くの人に信仰されている様子がうかがえます。子どもの夜泣きに効くといわれ、近隣からも参詣(さんけい)がありました。
原の稲荷は、元禄年間(1688年~1704年)の創建といわれていますが、詳細は不明となっています。天保11(1840)年の亀久保村(現在の亀久保・原・三角地区)の様子が分かる明細帳からは、稲荷社が武蔵野原の中で野火(火災)が広がらないように設けられた土地の守り神であったと推測されます。明治時代の終わり頃に亀久保神明神社に移されましたが、後に地元の人が跡地に再建し、今に至ります。
稲荷社の祭礼として、2月最初の午の日に行う「初午」が知られています。これは、和銅4(711)年2月初午に、稲荷神が伏見稲荷大社(京都府)のある山に降り立ったという伝承にちなんでいます。原の稲荷では、月遅れの3月(旧暦2月)に初午を行い、稲荷神に赤飯や油揚げなどを供え、地域の人が集まって飲食をしながら過ごしました。初午が月初めにあたると「日(火)早い」として「二の午」に祭礼を行うこともありました。

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原の稲荷

[ACCESS]
・大井武蔵野1425
・西武バス「大井西中学校入口」下車徒歩10分
・ふじみん号Dコース「原住宅入口」下車徒歩6分

問合せ:社会教育課
(【電話】049・220・2088)

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