『市指定文化財「阿弥陀如来像(あみだにょらいぞう)」(安楽寺(あんらくじ))の仏像修復』
駒林に所在する天台宗の大林山観量院安楽寺(だいりんざんかんりょういんあんらくじ)は、室町時代中期の寛正(かんしょう)4(1463)年に円基法印(えんきほういん)によって開かれたと伝わっています。
開山当初の本尊は、奈良時代の仏師春日(ぶっしかすが)の手による阿弥陀如来立像(あみだにょらいりゅうぞう)でしたが、天保2(1831)年に焼失し、その後、現在の本尊(高さ36cmの市指定文化財「阿弥陀如来像」)が新たに迎えられたものと考えられています。
本像は、江戸時代初期の作と考えられる貴重な文化財として、昭和47年6月1日に市指定文化財に指定されました。永年の経年劣化などから今回、修復を行いました。
令和5年8月17日、長野県千曲市の信濃仏像修復所へ搬入し、修復を行いました。修復は、制作当初の姿に戻すのではなく、現状を維持する修復方法とし、彩色部分の剥落(はくらく)止めや剥落が進んでいる部分の補修・補彩と、緩みがみられる部分の解体・組み立て・補強、また欠失箇所を木屎漆(こくそうるし)(おがくずと小麦粉を漆で練ったもの)で充填(じゅうてん)・成形しました。曇りが見られた水晶製の肉髻珠(にくけいしゅ)、白毫(びゃくごう)は磨き直し、輝きを取り戻しました。
令和6年3月9日、修復を終えた本像は安楽寺に戻され、3月20日に本尊開眼法要(ほんぞんかいげんほうよう)が執り行われました。これまでご住職や檀家の皆さま、地域の人によって守り伝えられてきた安楽寺の本尊は、これからも末永く人々を見守り続けてくれることでしょう。
安楽寺の本堂は、防犯のため施錠されていますので、拝観をご希望の人は、お寺のインターフォンでお声掛けください。
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安楽寺
[ACCESS]
・駒林869
・ふじみ野駅東口から東武バス「ららぽーと富士見」行きで「駒林」下車徒歩1分
問合せ:
・社会教育課(【電話】049・220・2088)
・安楽寺(【電話】049・256・8617)
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