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歴史さんぽ 百四二

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埼玉県ふじみ野市

『亀久保の観音様(かんのんさま)(馬頭観世音(ばとうかんぜおん))』

川越街道には、「鬼鹿毛(おにかげ)」という馬の伝説があります。
その昔、急用のため3人の武士が早馬で江戸を目指して駆けていましたが、川越を過ぎてから一頭、また一頭と倒れ、最後の一頭である鬼鹿毛も、大和田(新座市)まで来た時には疲れ切って、松の根につまずき倒れてしまいました。鬼鹿毛は、すぐに立ち上がり武士を乗せて江戸までの使いを果たしましたが、その途端にいなくなってしまいました。不思議に思った武士が帰りに大和田まで来たところ、鬼鹿毛は死んでいました。亡霊となっても大事な使いを果たさせてくれたことに感動した武士は、鬼鹿毛を手厚く葬ったといいます。
なお、一緒に走った他の馬は伊佐沼(川越市)と亀久保で倒れ、その後、馬頭観世音として手厚く葬り、その一つが亀久保の観音様だという話もあるようです。
馬頭観世音は、命あるものすべての苦を救うとされ、馬を守護する観音様としても広く信仰されています。江戸時代以降、交通や農作業などに馬を重用していたため、馬の無病息災や死んだ馬の供養のためにまつられることが多くなりました。
亀久保の観音様(馬頭観世音)は、明治26(1893)年に亀久保地区の南端、川越街道の新道と旧道の分岐近くに建立されました。大正初期に亀久保神明神社境内へ、その後、現在地へ移されました。大祭(たいさい)は2月16日で、昭和20(1945)年頃までは、地元や近隣から鈴や紅白の布などで飾り立てた馬を引いてお参りし、多くの人でにぎわったようです。

亀久保の観音様(馬頭観世音)
≪ACCESS≫
・亀久保2・16・24
・循環ワゴンふじみん号Dコース「さくら通り」下車徒歩約5分

問合せ:社会教育課
(【電話】049・220・2088)

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