■文化財は語る 第六回 適材適所
古民家には、栗・松・杉・桧(ひのき)・欅(けやき)・竹などが用材として使われ、それぞれの特性にあった使い方をしています。
◇栗は土台に
栗材には、湿気に強いという特性があります。古民家では湿気の多い土台に使われます。また、線路の枕木にも利用されてきました。旧池上家住宅復元の際、百数十年前の建築当初の栗材はほとんど補修の必要はありませんでした。
◇敷居には欅か松
敷居には油分の多い松や欅が使われました。旧池上家住宅では、滑りやすくかつ硬く減りにくい事から欅材が多用されています。
◇梁に使われた松
松は、横からの加重に強いという特性があります。土間から見上げる立派な二重梁も松材が用いられ、大屋根の加重をしっかりと支えています。
◇多用される杉と桧
杉や桧は木目が美しく、真っ直ぐ生長し加工しやすいことに加え、この地域でもよく育つため大量に利用することが可能でした。このように、古民家建築では用材の特性を活かした使われ方がされ、まさに適材適所といえるでしょう。
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