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みよし歴史探訪

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埼玉県三芳町

■文化財は語る 第八回 屋敷地の立地と様相(1)
◇サトガタ・ノガタ・ハケダ
人々の生活に溶け込んだ土地条件の表現として、サトガタ(里方)、ノガタ(野方)という表現があります。ノガタとは上富・北永井・藤久保のように畑ばかりの所をさし、サトガタとは南畑(富士見市)のように水田が広がる所をさします。竹間沢では柳瀬川沿いの低地と集落のある台地との境に急崖(きゅうがい)が続きますが、この崖(がけ)をハケ(峡)、崖下の田をハケダ(峡田)、崖下一帯をハケダドオリ(峡田通)といいます。
サトガタのない三芳では、台地帯に屋敷地や住居が構えられてきました。水田を持つ竹間沢においても、水田のある低地帯や、その中にある微高地に住居や屋敷を構えることはありませんでした。

◇台地上の集落
水田地帯から嫁いできた人が「嫁にくれるなら野方(畑作地帯)がいいとよく親が言っていた。大雨で家が水浸しになって舟を出すことなど一度もないね。その意味じゃ良かったよ。」と話していましたが、確かに三芳のどこの地区も洪水の心配はありません。しかし、洪水の心配こそありませんが、北風や春先の南風が吹くと「ジの軽い」赤土が「赤い風」となって舞い上がるなど、関東ローム層の台地帯ならではの苦労がありました。
このような自然条件を克服するための工夫や願いが、伝統的な屋敷構えや家造りに込められているのです。次回は、屋敷地やそれらを取り込む景観について見ていくことにします。

問合せ:文化財保護課
【電話】258-6655

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