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みよし歴史探訪

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埼玉県三芳町

■文化財は語る 第九回 屋敷地の立地と様相(2)
○ハケダ(峡田)の集落
三芳の集落を見ると、近世畑作新田開拓村の上富・北永井・藤久保のいわゆるノガタ(野申込・申請方法:畑作中心)の集落と中世に集落の起源を持つハケダ(峡田=崖からの湧水を利用した水田をもつ)の集落である竹間沢に分けられ、その景観は大きく異なります。
ノガタは、集落の中央に道が通り、その両側に屋敷、その奥に畑、最奥に平地林を配する計画的に作られた集落です。対して、ハケダでは道が入り組み、屋敷地の配置も複雑です。こうした対照的な集落の景観からも、それぞれの開発の歴史や生活の軌跡を辿ることができます。
竹間沢の古老に「三芳を独りで歩けるようになるには、まず竹間沢が歩けるようになれば町中どこに行っても道に迷わないよ」といわれたことがあります。確かに、竹間沢の道は複雑ですが、慣れてくると曲がった道の様子、ジョウグチ(屋敷の入口)の位置や屋敷構えがそれぞれ異なっているため、表札がなくても目的の家に行くことは容易です。かえって同じような屋敷並びを持つノガタのほうが困難に感じられます。曲がりくねった道や異なる屋敷構えの一つ一つの景観に、開拓が短期間に行われたものではなく、中世以来少しずつ時間をかけて耕地や屋敷地を切り開いてきたことがうかがえます。

問合せ:文化財保護課
【電話】258-6655

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