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みよし歴史探訪

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埼玉県三芳町

■文化財は語る 第五回 伝統的な建築工法(2)
◇家を支える大黒柱
旧池上家の大戸をくぐると、土間と座敷の境目の中心に立つ磨き上げられた太い柱が目にとまります。この太い柱が大黒柱と呼ばれます。
大黒柱とは、家族やチームなど集団の中心人物という意味もありますが、本来は、建築物の構造上最も重要な柱を指します。この大黒柱を中心に梁(はり)や桁(けた)が「ほぞ」によって組み込まれ、他の柱へつながっていきます。家の中で最も加重や負荷がかかるため、旧池上家住宅では他の柱に比べて特に太く尺一寸(約33センチメートル)角の堅く美しい木目を持つケヤキ材が用いられています。まさに一家の大黒柱というにふさわしい風格があります。大黒柱から延びる牛梁(うしばり)を土間の中央で支える柱が小黒柱と呼ばれます。土間に入って正面を見上げると大黒柱と小黒柱を繋ぐ、上下二本の太く曲がりくねった松材の牛梁が目にとまります。よく見ると牛梁に直交するように組まれた別の二重梁が交互に組まれています。これは見栄えを良くするだけではなく、屋根の荷重や地震などによる揺れの力を分散させる役割も担っています。

問合せ:文化財保護課
【電話】258-6655

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