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自治体の皆さまへ

特集 デフリンピックを通して共生社会の実現へ(1)

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埼玉県三芳町

誰もが幸せなまちをめざして―。

■新春対談2025
三芳町聴覚障害者の会 会長 高波美鈴
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埼玉県三芳町長 林伊佐雄

昨年は町で推進している「あいサポート運動」の10周年。記念すべき10周年に、三芳町の姉妹都市であるマレーシア・ペタリングジャヤ市で活動する、マレーシア初のろう者アーティスト、リム・アヌア(Lim Anuar)氏を招き、講演会など様々な活動を行いました。今月は三芳町聴覚障害者の会の高波美鈴会長と対談し、共生社会の実現に向けてお話をいただきました。

町長:共生社会の実現に向けて、手話を広めるなど様々な活動で、ご活躍されていますね。10年程前、聴覚障害者の会の皆さんと話をした際に、高波さんから手話を習ってほしいと言われて1年間勉強したのが懐かしいです。
高波:町長が実際に手話の講習を受けに来て下さって、うれしかったです。
町長:手話を学ぶだけでなく、ろう者の生活や歴史まで知ることができました。特に手話は言語であり、言語としてコミュニケーションをとることの大切さを教えてもらい大変感謝しています。手話を広める高波さんの活動への想いを聞かせてもらってもいいですか。
高波:30年程前、専門学校卒業記念の旅行先がアメリカで、バイリンガル教育や、ろう文化に興味を持ちました。その後、アメリカやヨーロッパで国際手話を学ぶ中、日本とアメリカ・ヨーロッパではろう文化の進み具合が違うと実感したんです。当時、日本では人前で手話をすることは恥ずかしいという認識がありましたが、アメリカ・ヨーロッパでは堂々と表情や手話で表現します。手話を受け継いできた人たちの文化を大切にしていると感じ、私も手話を広めていきたいと強く思いました。
町長:海外で貴重な経験をされたんですね。三芳町も国際交流に力を入れていますが、マレーシアのろう者でバティックアーティストのリムさんと三芳町の出会いも高波さんからの紹介がきっかけでしたね。
高波:ショッピングモールや壁画などにも絵を描かれ、マレーシアのスターバックスコーヒーのキャラクターデザインを作るリムさんの芸術活動にすごく感銘を受けましたね。聞こえる聞こえない関係なく、障がいのない人と同じように活動している素晴らしい人を紹介できて良かったです。
町長:三芳町は東京2025デフリンピックでマレーシアのホストタウンとして、様々な事業を展開したいと考えています。高波さんからご提案いただいた、町の共生社会のシンボルとして、リムさんに町の施設に絵を書いてもらうお話など、前向きに検討していきたいと思っています。
高波:デフリンピックも控えているのでリムさんの絵は今後さらに注目されそうですね。三芳町は東京オリンピックとパラリンピックでホストタウンとしての実績があり、今回のデフリンピックでもマレーシアのホストタウンが決まり、すごくうれしかったです。
町長:東京オリンピックやパラリンピックではコロナ禍のため選手団と十分な交流ができなかったので、東京2025デフリンピックでは、交流を深め、共生社会に向けて、意識を高める大きなきっかけにしたいですね。高波さんもデフリンピックでテコンドー選手として出場したいとお聞きしましたが、状況はいかがですか?
高波:まだ、デフリンピックへの出場は決まっていませんが、選手に選ばれたらうれしいです。今は出場をめざして、毎週練習をしています。型を身に付けてから早めに試験を受けて、デフリンピック前までには黒帯を取りたいですね。
町長:もし、デフリンピック選手に選ばれたら、町として初のデフリンピック選手が誕生するのでうれしい限りです。では、最後に高波さんの今年の抱負を聞かせてください。
高波:デフリンピックに出場できたら、何よりもメダルを取りたいです。せっかく日本で開催されるので、私もメダリストの一員になれるように、一生懸命に練習に取り組みたいと思います。
町長:高波さんがメダルを獲得する姿を心より楽しみにしています。

■誰一人取り残さない 共に生きる幸せなまち 三芳町
共生社会の実現のため、まちは手話言語条例の制定をはじめ、様々な取り組みを行っています。

○あいサポート運動
お互いを理解し、障がいのある人に対してちょっとした手助けや配慮を実践することで、誰もが暮らしやすい地域社会をつくっていく「あいサポート運動」。まちは共生社会の実現のため、「あいサポート運動」を推進しています。

○あいサポ10周年事業 リム氏講演会
あいサポート運動推進協定の締結から10周年。姉妹都市のペタリング・ジャヤ市で活動するマレーシア初のろう者アーティスト、リム・アヌア氏を招いて講演会を開催。自身の成功体験を交えた講演では多くの人に感動や喜びを与えました。

○手話サロン
講習会ではハードルが高いと感じる人に対して、無料で手話の日常会話を学ぶことができる場が手話サロン。聴覚に障がいのある人を講師に招き、日常生活で使える手話を学ぶことができます。

○手話動画
日常でも使える手話を簡単に覚えられるように、毎月、手話コーナーを広報みよしに掲載。YouTubeでも、動画をアップしています。

○ウェルビーイング輝いて
まちの皆さんから募集した「幸せを感じるキーワード」をヒントに、オリジナルソングを作りました。手話の振り付けと共に歌ってみてください。

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