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武蔵野線と三郷市 Musashino Line Misato City(3)

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埼玉県三郷市

■武蔵野線ピックアップ
◆世界一上下線が離れた駅
新三郷駅が、ギネス世界記録に登録されたことがあるのを知っていますか?1994年のギネスブックに「最も離れた上下線プラットホームは、日本のJR東日本の武蔵野線新三郷駅のプラットホーム。あいだに操車場があるため300m離れていて、陸橋で連絡している」(マシューズ1993、208)と記載されています。
(引用:ピーター・マシューズ、1993、『ギネスブック’94』、騎虎書房)

行きは駅まで5分で着いたのが帰りは10分。陸橋の歩道には屋根がなかったので、雨の日は閉じた傘をまたさして反対のホームに向かっていました。ただ、みさと団地の住民としては、気軽に武蔵野線に乗れるようになり、ありがたかったです。

◆ららぽーとに幻の寝台車?
○ららぽーと新三郷にある列車は一体どんな列車なのか、なぜそこにあるのか…広報担当の出村さんに聞きました!
ららぽーと新三郷 広報担当 出村雄大さん
この列車は、平成元年にJR東日本が、寝台車による新しい旅の形の提案をコンセプトに製造した豪華客車「夢空間」です。ダイニングカー、ラウンジカー、寝台車の3車両で構成され、製造や内装をそれぞれ異なる製造所、有名百貨店が担当するなど、夢空間の名にふさわしい特別な客車でした。
1編成しか無かったため、定期列車での運用とはならず、観光シーズンなどに臨時列車として運行したほか、上野駅~札幌駅間の寝台特急「北斗星」に連結されて「夢空間北斗星」の愛称で親しまれ、平成20年の引退まで活躍しました。
引退後、3両のうちラウンジカーとダイニングカーの2両が、武蔵野操車場跡地に建設されたららぽーと新三郷に展示されています。

昭和63年に日本にやってきた「オリエント急行※」をモチーフに作られており、今の豪華列車を先取りした車両になっています。本当に貴重な車両で、三郷に2両もあるなんてまさに夢のようです。ぜひ、綺麗に整えて、皆さんが楽しめるイベントができればいいなと思っています。武蔵野操車場の跡地なので、隣に機関車も並べてみたいですね!
※パリ〜イスタンブールを結ぶ豪華国際寝台列車。

■編集後記
今般、武蔵野線の歴史を調べ、取材を進めていく中で、今まで知らなかった事実をたくさん発見しました。現代のスタンダードとなった設備を早期に取り入れていたり、貨物がたくさん通過する大きな理由があったり。新しい車両が入ることは少なく、別の路線のお古を使うこともしばしば…。そんな知られざる武蔵野線の姿を知ってからは、見慣れたオレンジ色の車体にとても愛着を感じるようになりました。
今般の取材では奇跡的な遭遇も。三郷駅ホームでの撮影を終えて撤収をしようとしたその時、貨物車両としては最古参の珍しい車両がホームに入ってきました。その名もEF65形。国鉄時代から活躍をしている車両で、貨物車両としての役割以前には「ブルートレイン※」をけん引する花形でした。
花形から裏方まで、長い歴史を走り続けているEF65形。力強く、そして颯爽とホームを走り抜けていく姿からは、求められた役割を黙々とこなす静かな強さを感じました。
半世紀の間、市民の足として活躍している武蔵野線では、今でもたくさんの貨物列車を見ることができます。ぜひ、いつもとは違った視点で見つめてみてください。きっとロマンあふれるその歴史に触れることができると思います。
※青色の車体が特徴の寝台特急列車の愛称。昭和33年の登場から平成27年の引退まで多くのファンを魅了。

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