■人と人との縁で織りなす ものづくりの真骨頂
上尾中小企業サポートセンターがつないだ事業者マッチングで新商品開発
◇桑原美由紀(くわはらみゆき)さん(西宮下在住)
「猫が大好きで、猫が喜ぶ物を作りたい」という思いから、猫の商品を取り扱う専門店を立ち上げたと目を輝かせて語るのはnecono(ネコノ)の代表を務める桑原美由紀さんです。平成26年のスタート当時は、猫向け商品の専門店は珍しく、瞬く間に全国から商品の注文が入ったそうです。
ファンを魅了するその秘訣(ひけつ)は、何といっても商品コンセプト。「猫にとって安全で、部屋のインテリアにもなるような商品をお届けしたい」と桑原さん。猫の気持ちを第一に考える“猫ファースト“の精神、さらには飼い主の気持ちにも寄り添って、部屋のインテリアにもなるようなデザイン性を追求していて、どの商品もおしゃれでかわいい物ばかりです。
地域の人と人とのつながりを商品開発に生かしている桑原さん。これまで市内事業者とさまざまな共同開発を行ってきました。そんな桑原さんが最近開発した商品が「着るベッド-Dress(ドレス) Bed(ベッド)-」です。開発にあたっては、猫のおしゃれを演出するため、使用する糸から編み方に至るまで細部にわたりこだわったそうです。その糸を取り扱っている事業者が、市内でリサイクルコットン「エコテックス(R)」の輸入販売を手掛けるCHYAREE(チャリー)です。この糸は、廃糸を活用し、地球にも体にも優しい素材であることが特長。上尾中小企業サポートセンターによる事業者マッチングにより、こだわりの糸に出会うところから開発の一歩を踏み出しました。編み方も、従業員の皆さんが試行錯誤を繰り返し、商品の開発に要した月日は何と6カ月。編み慣れた今でも、品質チェックを入念に行い、手作りの職人技で一つ一つ丁寧に仕上げています。
洋服をまとうように寝て欲しいという猫への愛情で紡がれた「着るベッド-Dress Bed-」は、使い捨てではなく、何度洗っても柔らかくて気持ち良く、時流を捉えたサステナブルな取り組みとなっています。そんなぬくもりあふれるベッドで猫が丸くなって寝ている姿を、アンモナイトとニャンコを掛けて「アンモニャイト」と呼んでいるそう。neconoのロゴにもなっています。
人と人との縁で織りなすneconoの商品は、まさにものづくりの真骨頂。そんな商品の魅力が認められ、上尾市ふるさと納税の返礼品にも登録されました。「今後は商品を通じて、上尾を全国にPRしていきたい」と語ります。上尾が深く関わるneconoの商品は上尾産。上尾の名とともにより一層全国に広まることを期待しています。
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