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【市民のひろば】スポットライト~人・仲間~

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埼玉県上尾市

■「SAKE(さけ)」を通じて上尾を世界へ
第94回関東信越国税局酒類鑑評会純米吟醸酒の部優秀賞受賞
北西酒造株式会社(上町)

「SAKE(さけ)」の愛称で海外でも広く親しまれている日本酒。豊かな自然と水源に囲まれた地域で造られるイメージが多いですが、昔から上尾の街中でも造られているのをご存知でしょうか。第94回関東信越国税局酒類鑑評会純米吟醸酒の部優秀賞、海外でも数々の賞を受賞するなど、国内に留まらずその名を広めるのは、ことし創業130周年を迎える北西(きたにし)酒造株式会社です。今回は、代表取締役社長を務めながら自身も杜氏(とじ)として日本酒に情熱を注ぐ5代目蔵元の北西隆一郎さんにお話を伺いました。
「当社は、秩父からの質の良い伏流水が湧き出ることで知られていた上尾に目を付けた初代蔵元の北西亀吉が創業しました。人形浄瑠璃文楽をこよなく愛した亀吉は、文楽の義太夫・三味線・人形遣いの三位一体の精神を、米・麹(こうじ)・水で造り出す日本酒に生かしたいという想いを込め、当社を代表する銘柄を『文楽』と名付けました」と語ります。
『文楽』の特徴は何と言ってもその淡麗な味わい。こだわりを聞くと「麹造りです」といいます。日本酒に欠かせない麹を作るには、一般的に製麹機(せいきくき)と呼ばれる醸造機械を用いるのが主流ですが、北西酒造株式会社では職人自らの手で麹を作る蓋(ふた)麹法を採用しています。「完成までに数日かかり、その間は付きっきりの作業が求められるため、取り入れている酒蔵は全国的にも少数です」と教えてくれました。
昔ながらの手法で日本酒を造り続けてきた北西酒造株式会社ですが、近年、端麗辛口な日本酒が若い世代で敬遠されていることに着目し、若い世代向けの銘柄作りにも力を入れています。醸造設備を取りそろえたり、新潟県の酒蔵などでノウハウを学んだりと、5年の歳月をかけて造られたのが『彩來(さら)』です。コンセプトは「香り・甘味・酸味の3つの要素が奏でるハーモニー」。亀吉さんが愛した文楽のように三味 一体の精神が息づいています。
今後の展望は酒を全国そして海外に広め、実際に上尾の酒蔵へ足を運んでもらうこと。「北海道の飲食店でうちの酒を気に入ってくれた方がはるばる上尾市に来てくれたことがあります。上尾市は牧場があったり、飲食店が豊富だったりといい街だと思っています。今後も酒を通じて、上尾の名を広めていきたいです」と話します。
近い将来、「SAKE」を通じて上尾の名が世界に広まる日を期待しています。

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