■ストリートピアノから あたたかな出会いを
上尾地区
伊東 貴子(たかこ)さん
市の中心部にあるJR上尾駅。最近どこからともなくピアノの音が聞こえ、明るい雰囲気。なぜなら今、誰でも自由に弾くことのできるピアノが置かれているから。このストリートピアノ設置の経緯やそこに込めた思いなど、市観光協会の職員が熱く語ってくださいました。
設置については数年前からの願いであったとのこと。熊谷市やさいたま市の事例も参考に、市の各部署やJR上尾駅と協力しながら準備を進めました。市民から寄付されたピアノに市内の事業者の手で観光協会の新キャラクターたちのラッピングが施され、すてきなオリジナルピアノに大変身し、令和5年11月にいよいよ設置となりました。
改札前自由通路は、スペースも広く天井も高いため、通路内にピアノの音色が響き渡ります。ともすれば、忙しさに紛れてただ通り抜けるだけになりがちな駅が、目にも華やかで美しい音色により、気持ちの良いスペースとなっています。最初は3カ月間の設置予定でしたが、たくさんの市民からの「終わりにしないで…」との熱心な声により、何度も期限が延長になっているそうです。
「沈んでいた気持ちがピアノの音色で和らいだ」「自分の好きな曲が聞けた時は、本当にうれしい」「ここで弾くために家でたくさん練習してきました!」毎日、通っている常連さんもいる様子。弾いている人も、聞いている人も、うれしい、楽しい。近くのベンチからはピアノに合わせてハミングや口ずさむ声が聞こえます。時には大きな拍手や、感想を伝え合う姿もあり、小さな交流の場ともなっているようです。さらに、あちこちのブログで紹介され、市外の任意団体からはスタンプラリーイベントへの協力依頼もあったそうです。駅に彩りやにぎやかさをとの当初の願いが、思いがけない出会いや横のつながりへとうれしい広がりを見せています。
演奏時間などのルールはありますが、どなたにでも気軽に弾いていただけます。この貴重なJR上尾駅のストリートピアノに、ぜひ会いに行ってくださいね!
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