町には、埼玉県指定史跡「伊奈氏屋敷跡」「小貝戸貝塚」、埼玉県選定重要遺跡「大山遺跡」をはじめ、およそ70か所の埋蔵文化財包蔵地(※)があります。
これまでに、多くの発掘調査が町内でも行われており、多数の遺構・遺物が見つかっています。とくに本上(ほんがみ)遺跡からは「環状盛土遺構」と呼ばれる遺構が確認されており、当時の人々が長い年月、同じ場所で生活していたことがわかっています。
これらの埋蔵文化財は、伊奈町のことはもちろん、地域の歴史や文化の成り立ちを理解するうえで欠くことのできない国民共有の貴重な歴史的遺産であり、一度失われてしまうと二度と元には戻せません。そのため、将来の文化向上・発展の基礎をなすものとして「文化財保護法」で大切に守られています。
※埋蔵文化財包蔵地…遺構や遺物などの文化財が埋蔵されている土地のこと。町内の埋蔵文化財包蔵地を知りたい場合は、町ホームページをご覧いただくか、生涯学習課にお問い合わせください。
■埋蔵文化財包蔵地で土木工事などを行うときは
埋蔵文化財包蔵地内で土木工事など(※)を行う場合は、文化財保護法により、試掘調査の実施が必要となります。
試掘調査とは、対象地に溝を掘り、遺構や遺物の有無を確認するための調査です。遺構や大量の土器が見つかった場合、発掘調査が必要になることがあります。試掘調査は、発掘調査に必要な期間や費用を積算するためにも重要な調査となりますので、ご協力をお願いします。なお、建て替えの場合でも、試掘調査が必要になることがあります。
※土木工事など…個人住宅・集合住宅・店舗の建築、宅地造成、道路・駐車場の建設、農地改良、土砂採取をはじめ、掘削(くっさく)を伴うすべての行為。
■埋蔵文化財の公開
発掘調査が終了すると報告書を作ることが義務付けられており、発掘調査の成果が公表されます。また、出土した埋蔵文化財は大切に保存するとともに、資料の公開など活用が求められています。
そのため、町では、郷土資料館内の読書スペースにおける発掘調査報告書の配架や、全国の方が利用できるよう(独)国立文化財機構奈良文化財研究所が運営するホームページ「全国遺跡報告総覧」での公開など、広く周知することに努めています。また、出土遺物は、企画展の実施や他の博物館への貸出、公民館講座など各種イベントでの活用にも努めています。
国民共有の貴重な歴史的遺産である埋蔵文化財の保護について、皆さまのご理解とご協力をよろしくお願いします。
※二次元コードは、本紙をご覧ください。
問合せ:生涯学習課
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