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〔特集〕自分事で考える認知症の世界(1)

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埼玉県入間市


超高齢社会※1の今、認知症は他人事ではなくなっています。家族も、ご近所さんも、すれ違う人の中にも、当たり前のように認知症の人がいて、まちで一緒に暮らしています。自分も例外ではありません。誰もが認知症になる、大切な人が認知症になる、それはもう私たちの日常となりつつあります。
9月は認知症月間※2です。自分が認知症になったとき、周囲にどうあってほしいのか、どんなまちに住んでいたいか、考えてみましょう。

※1 65歳以上の人口の割合が全人口の21%以上を占める社会。入間市は約31%(令和6年8月1日現在)です。
※2「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」において、9月21日を「認知症の日」とし、9月を「認知症月間」とすることが定められました。


感情はなくなりません。できなくなることもありますが、昔の記憶をもとにできることがたくさんあります。


埼玉県オレンジ大使※3菊地大輔氏


認知症だからこそできることがあります。認知症カフェには認知症の人が集まっていて、本当に認知症かなと思うくらい、笑ったり、楽しくやっています。集まる場所があるのはとても大事なこと。認知症には暗いイメージがあり、診断を受けると最初は外に出て行かなくなります。でも、出て行ける場所や仲間がいれば、楽しく過ごすことができます。今、私は仕事も講演活動も楽しくできています。わからなくなったら人に聞けばいいし、恥ずかしいこともありません。認知症は絶望ではないと今はわかるし、オレンジ大使としてそれを伝えていきたいです。楽しくすることが一番いい。

※3 認知症当事者が、自らの体験や思いを自らの言葉で発信し、広く認知症に対する理解を深めるために活動しています。埼玉県によって任命されます。


A 仕事中、営業の外回りでコインパーキングに駐車した場所がわからなくなったのが最初でした。


A 精神的にも疲れて眠れなくなっていたので、認知症だとわかったとき、「だからできなかったんだ」と点と点が線でつながりました。私は病気なんだと覚悟を決めることができましたが、私より先に診断結果を聞いた妻と息子は、泣き崩れたそうです。


A 仕事は辞めざるを得ませんでしたが、今は若年性認知症コーディネーターに紹介してもらった農園で、野菜を作る仕事を楽しくやっています。


A 生活するには工夫が必要で、色々な努力をして生きているのに、元気で楽しくしていると、「普通だよね?」「認知症じゃないみたい」と言われることがあります。そう言われると、自分の努力は何なんだろうという気持ちになり、つらいです。


A 外ではスマホで写真を撮り、写真を見ながら帰る。スケジュールも手帳とスマホのダブルで管理。わからなくなったら人に聞きます。人に聞けないと、果てしなく迷い人になってしまいます。スマホを上手に使えるといいですね。

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