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法律相談コラム

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埼玉県八潮市

法律相談などで多い事例とそのアドバイス

■長期間経過後の遺産分割

▽質問
12年前に父が亡くなりました。相続人は兄と私の2人で、遺言はなく遺産分割はまだしていません。そのため、これから遺産分割をしようと思っていますが、兄は父から不動産の生前贈与を受けていたので、私としてはその生前贈与を考慮したうえで分割をしたいと思っています。父が亡くなってから長期間経過していますが、そのような分割をすることはできるのでしょうか。

▽回答
遺産分割をする際には、法定相続分を基礎としつつ、被相続人から生前贈与を受けた相続人や被相続人に対して療養看護による特別な寄与をした相続人がいるような場合には、そのような個別的事情を考慮して修正した具体的相続分によって分割をすることができます。
もっとも、令和5年4月1日施行の改正民法により、速やかな遺産分割を促す目的で、相続開始から10年を経過した後にする遺産分割は、原則として具体的相続分ではなく、法定相続分によることとするルールが新たに設けられました。このルールは改正民法の施行日よりも前に発生した相続にも適用されることになりますので、本件のように相続開始から既に10年経過しているケースでは具体的相続分によることはできないことになります。ただし、施行日から5年間は猶予期間が設けられており、相続開始から既に10年経過しているケースであっても施行日から5年経過するまでの間に家庭裁判所に遺産分割の請求をしたような場合には、なお具体的相続分によることができます。
相続開始から長期間経過した後に遺産分割をする場合には、このルールに注意する必要がありますので、早めに遺産分割を行うことが重要となります。

問合せ:埼玉弁護士会越谷支部 福山茂志(弁護士)
【電話】962-1188

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