歴活(レキカツ)-知れば史るほど-

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■寺子屋絵馬(市指定有形文化財)
大越の徳性寺(とくしょうじ)にある、この絵馬は、幅120cmの大型で、右上に文久四(1864)年と製作年、右下に「渓斎　北尾重光(きたおしげみつ)」と製作者の銘があります。構図は左に「奉納薬師如来」ののぼりを立てた本堂を描き、画面右に大きく江戸時代の庶民を対象とした教育施設である寺子屋に使った庫裏(くり)で、寺子たちが手習いをしている様子が描かれています。
江戸に生まれた絵師北尾重光の描いたのぼりや絵馬は、館林をはじめ近隣の社寺に数多く奉納されています。これらは、寺子屋の様子を知るとともに、絵馬の流通を通して館林と大越との経済関係を知る貴重な資料となっています。
大越は、江戸時代から利根川の舟運(しゅううん)が盛んで、河岸近くの堤防には倉庫や旅館、料理店が立ち並び、明治期の大越村は、北埼玉郡の物資の集散地として隆盛を極めました。徳性寺近くにある大越小学校の開校記念日は、徳性寺の花祭りが行われる4月8日です。これは、大越小学校の前身が徳性寺の寺子屋であったことに由来します。
紹介者：関根雅彦　加須市文化財保護審議会委員

▽徳性寺
住所：大越1984
問合せ：生涯学習課
【電話】0480-62-1223