■ふるさとの森 玉敷神社の社叢(しゃそう)
1979(昭和54)年、高度経済成長期における緑地の減少傾向が顕在化すると、景観に優れた緑地の保全と緑化の推進を図るため「ふるさと埼玉の緑を守る条例(現:ふるさと埼玉の緑を守り育てる条例)」が制定されました。
折しも、身近な緑の景観が姿を消しつつある中、人為的干渉を加えることなく守られてきた玉敷神社の森が、1982(昭和57)年3月「ふるさとの森」に指定されました。(現在は、ふるさとの森事業の終了により、県指定解除)
広大な社叢は、地域に散在する雑木林(二次林)が放置され、遷移の進んだ最終到達点の林(極相林(きょくそうりん))に最も近い照葉樹林ともいわれています。また、古来より神域として手を加えることなく引き継がれているため、植物生態学の見地からも極めて学術的価値の高い自然林でもあります。
ふるさとの緑が消滅の危機にある今日、人々の生活に安らぎと癒しを与えてくれる、鎮守の森(社寺林)や屋敷林の景観と価値については、認識を新たにしたいものです。
紹介者:田沼 宣喜 加須市文化財保護審議会委員
▽玉敷神社
住所:騎西552-1
問合せ:生涯学習課
【電話】0480-62-1223
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