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歴活(レキカツ)-知れば史るほど-

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埼玉県加須市

■日出安村の「扶助田(ふじょでん)」
昔むかしのこと。日出安村では借金を抱える者や、田畑を手放す家が後を絶ちませんでした。村の将来を心配した人たちは何度も何度も話し合い、一人ひとりが仕事に励むこと、無駄遣いをしないこと、出稼ぎで得たお金は蓄えておき、困っている者に貸し与えることの3つの約束事を決めました。
村人はこれを守り、一生懸命働きました。何年かすると多少の余裕もでき、売り払った田畑を取り戻すように…。天保(てんぽう)の大飢饉(1833年~1839年)の時も村では互いに困窮した家を助け、一人の離散者も出さずに済みました。そこで、こうした美風が末永く続くよう、みんなが少しずつお金を出し合い、共有の麦田五反(50アール)をつくりました。麦田は、その収益で困っている村人を助けることから、「扶助田」と呼ばれました。
それから約200年。今では扶助田は存在しませんが、鎮守の駒形神社境内には、その由来を記した石碑(市指定文化財)が今も佇んでいます。
紹介者:正能晴雄 加須市文化財保護審議会委員

▽駒形神社
住所:日出安970-1

問合せ:生涯学習課
【電話】0480-62-1223

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