■芭蕉翁句碑と郷土の俳句文化
志多見地区の八幡神社境内に、「名月の花かと見えて綿ばたけ」の芭蕉翁句碑(市指定史跡)があります。これは、1694(元禄7)年8月15日、50歳の芭蕉が郷里である伊賀上野「無名庵(むみょうあん)」で月見の宴を催した時の作といわれています。
芭蕉の没後、1698(元禄11)年に刊行された俳諧七部集の一つである「続猿蓑(ぞくさるみの)」に収められた一句で、志多見地区の俳人相沢栄助(俳号文戯)が門弟たちと150回忌を記念して、1843(天保14)年に建立したものです。
江戸時代の中・後期には、俳諧文化は広く庶民生活の中にも浸透し、芭蕉翁150回忌を記念した句碑の建立をはじめ、記念行事が全国各地で行われるようになりました。
選句の背景には、月見と綿花畑の光景が当時の志多見地区に重なるところがあったのではないかと思われます。
紹介者:田沼宣喜 加須市文化財保護審議会委員
○八幡神社
住所:平永333
問合せ:生涯学習課
【電話】0480-62-1223
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