■子安(こやす)観音は聖母マリア像?
柳生の養性寺(ようしょうじ)の墓地内に珍しい石仏があります。一見この地方に多く見られる如意輪観音(にょいりんかんのん)かと思われますが、子どもを抱いています。北川辺地域では、赤ちゃんを抱く石仏は、この一体のみです。
江戸時代、北川辺地域は川附(かわつき)十ヶ村と呼ばれ、下総国(しもうさのくに)古河藩の所領でした。藩主土井家の何代かは肥前(ひぜん)(現佐賀県)唐津藩と関係が深く、九州のキリシタンが移ってきたという可能性もあります。個人のお墓ですが、キリシタンにまつわる伝承は全くないということでした。
風化がひどく、銘文は読み取りにくいのですが、30年ほど前の石仏調査では、1770(明和7)年の建立とされています。およそ250年の時を越えて、子安観音は聖母マリア像かもしれないと、想像をたくましくすることもできます。
紹介者:渡辺章 加須市文化財保護審議会委員
○養性寺
住所:柳生2562
問合せ:生涯学習課
【電話】0480-62-1223
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