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市長コラム

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埼玉県加須市

消えない記憶がいくつかあります。東日本大震災も令和元年の台風19号の夜もそのひとつです。
特に5年前の台風19号の夜のことはよく覚えています。直撃予想から3日前には内水タイムラインを発動し、2日前には危機対策会議、1日前には災害対策本部を立ち上げ市内小学校などに自主避難所を設置しました。夕方には荒川を対象とした「避難準備・高齢者等避難開始」を発令するとともに利根川などの外水タイムラインも発動、23時には「翌朝4時に避難勧告・避難指示を発令する見込み」という情報を関係団体などに周知しました。避難以外に手だてがない中で、あとはいつ決断するかという状況でした。
利根川の水位上昇が予想より早く、国土交通省発表の報道ニュースで利根川堤防の危機が流されました。自衛隊も待機した市対策本部では国のホットライン情報を基に、ついに深夜1時に北川辺地域に「避難指示」を発令し、バスなどでの広域避難を開始しました。2時には樋遣川・大越地区、大利根地域にも発令し、深夜に全避難者約1万人という市を挙げての広域避難となり大変な混乱となりました。
「備え有れば憂い無し」といいますが、台風による水害に関してはどんなに備えても憂いが無くなることはありません。平時に危機を想像できる想像力と、その危機に具体的に備える努力が必要不可欠です。そのために全力を尽くします。

安きに居りて危うきを思う、思えば則ち備え有り、備え有れば憂い無し

加須市長 角田守良

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