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世紀の大発見!デーノタメ遺跡を読む 連載第1回

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埼玉県北本市 クリエイティブ・コモンズ

大宮台地の北部に位置する北本市は、とても遺跡の多いまち。人々は旧石器時代からこの地に暮らし、縄文時代には各所でムラが営まれました。中でもデーノタメ遺跡は全国に知られた縄文時代の遺跡です。今回から5回の連載で、現在、国指定史跡を目指すこの遺跡の魅力に迫ります。

■関東最大級のムラ
デーノタメ遺跡は下石戸下地区にあり、市内を流れる江川(えがわ)の支流に面しています。遺跡の面積は約6ヘクタール。市内最大の深い森に覆われ、遺跡は静かに眠っています。ちなみに、「デーノタメ」とはかつて遺跡の北部にあった湧水池のこと。縄文時代には生活を支える豊かな水源であったことでしょう。
デーノタメ遺跡はこの水源を要として、台地から低地へ広がっています。台地の高台では、今から約5千年前にムラが拓かれました。縄文時代中期にあたり、最も縄文文化が栄えた時期です。ムラの大きさは南北で210mと「関東最大級」の大きさ。ムラの中央に広場があり、周りに竪穴(たてあな)住居が建ち並ぶドーナツ形の集落で、「環状集落」と呼ばれます。
また、約4千年前の縄文時代後期には、新たに低地を囲んで弓なりに住居が連なります。その長さは約270m。一般に縄文時代後期はムラが縮小する時期であるため、この規模は破格の大きさです。

■1500年も続いた縄文のムラ
このように、ムラの規模が大きく保存状態が良いこと、1500年間もの長期にわたってムラが継続していたこと(三内丸山遺跡に匹敵)は、デーノタメ遺跡の大きな特徴といえます。まさに「持続可能な社会」を実現したムラの姿は、豊かで成熟した社会があったことの証です。
現在では、こうした内陸の大規模集落の多くが失われています。このことも、デーノタメ遺跡が高く評価される理由の一つなのです。

問合せ:文化財保護課
【電話】594-5566

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