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北本のKey Person この人に会いたい

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埼玉県北本市 クリエイティブ・コモンズ

メジナ釣り日本記録保持者(ラインクラス…6kg・10kg)釣りエサのエキスパート
長岡寛(ひろし)さん(石戸在住)

『魚は絶対に思い通りにならない。だからこそ、工夫しがいがある。』
『もっと、子どもたちに魚の面白さを知ってもらいたい。』

長岡寛さんは釣り一筋50年、魚が好むエサの成分や魚の特性に科学の視点から迫る、釣りエサのエキスパートです。釣り餌メーカー在職時に開発に携わったエサは、今も釣り餌界のスタンダードであるといいます。
「釣りで一番重要なのは、魚が目の前のエサを食べてくれるかどうか。だからエサが美味しいと思われるかどうかが一番重要なんですよ。じゃあ、魚はどうやってエサの味や臭いを感じているのか。魚にはエサがどう見えているのか。それを研究して、工夫して、探っていく。これがうまくはまった瞬間が一番面白いところです」
長岡さんが釣りを始めたのは小学1年生の時のこと。当時都内に住んでいた長岡さんは、父親に連れられて、公園の池などで釣りをしていたのだそう。
「当時は釣りを禁止しているところも少なかったので、公園の池には釣りを楽しむ人たちのコミュニティみたいなものがあって、自分もそこに混ざるような形で釣りにのめり込んでいきました」
釣りに夢中になった長岡さんはその後、北里大学水産学部の食品科学科へ進学。成分分析の手法などを学び、釣り餌メーカーへ就職。釣り餌の成分分析ができる開発環境をほとんどゼロから構築していきました。
「データを集めて色んなものを開発できる環境を整える必要がある、と思ったんです。エサだけじゃなくて、土に還る生分解プラスチックのワーム(疑似餌)の開発とか、釣りにまつわることならなんでも取り組んできました」
会社を退職した現在は、個人での釣り餌・釣り具開発の傍ら、釣り雑誌での執筆や、学校での講義や実習などで釣りの面白さを広く伝える活動をしています。
「釣りの話、というと趣味感が強く聞こえますけど、釣りに惹かれない人もいる。でも全然構わないんですよ。例えば、魚はどうやって水面を見ているのか、耳はどこにあるのか、とか。何かに疑問を持って調べてみる。そういう体験のひとつとして、楽しく話を聞いてもらえたら嬉いですね」
そう語る長岡さん著書『釣りエサのひみつ』では、写真から標本、挿絵のCGイラストにいたるまで、そのほとんどを自身で作成しています。やってみる、調べてみるという研究マインドが、ここにも生かされています。
「今後はもっと地元での活動を広げたいと思っているんです。特に子どもたちに魚の面白さを知ってもらいたくて。興味を持ってもらうための話し方も毎回工夫しているんです」
長岡さんの釣りへの情熱はきっと誰かの好奇心に火をつけていくはずです。

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