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自治体の皆さまへ

〔特集〕自治会の今とこれから(5)

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埼玉県北本市 クリエイティブ・コモンズ

◆04.東間1・2・3・4丁目自治会〔自治会館を拠点に4自治会が防災連携〕
◇浅間(せんげん)会館を拠点に4自治会で自主防災組織を設立
~自治会は、「何かあったら助けてね」と言える関係づくり。~
「東間1~4丁目地区の広域避難所は宮内中学校ですが、国道17号を越えなければならず、高齢者にはかなりの距離です。そこで、地元でしっかり安否確認できる体制を作ろうと、4自治会が合同運営する浅間会館(浅間神社)を拠点に、自主防災組織を立ち上げることにしたんです」そう語るのは、平成29年度~令和2年度に東間3丁目自治会長を務めた高橋誠さん。他の3自治会に呼びかけて平成29年・30年で東間1・2・3・4丁目自主防災会を立ち上げました。合同なら補助金もまとまった額が使えることから、テントや発電機などの大きな資材を購入し、神社内の倉庫に保管しています。
自主防災会では、毎年合同で防災訓練を行っています。人命救助や搬出訓練のほか、アルファ米の炊き出しなど人が集まるメニューを実施。中でも一番の特徴は、安否確認訓練です。災害発生を想定し、浅間会館へ避難してきた人が拡大印刷した住宅地図に各世帯の安否状況を書き込んでいくもの。「この家はガスが止まったとか、水が出ないとか、そういった状況がこれ一枚で確認できます」と東間1丁目前自治会長の荒井恒明さんは言います。
令和4年8月には、県・市・警察・自衛隊・消防等による「九都県市総合防災訓練」に参加。消火訓練や瓦礫からの救助、自衛隊と合同のカレーの炊き出しなども行いました。こうした活動が評価され、令和6年1月には県知事表彰も受けています。
4自治会の連携は防災にとどまりません。令和元年からは浅間会館を拠点に合同で介護予防体操「イキイキとまちゃん体操」の通いの場を毎週金曜日に開催。サポーターの高橋幸子(ゆきこ)さんは「毎週20~30人が参加しています。終わると『次の金曜日に会おうね』って声をかけ合うんです」と話します。そのほか、グラウンドゴルフや納涼祭を合同で開催したり、学区の異なる子どもたちが合同で太鼓を発表するなど、垣根を越えて子どもも大人も交流する機会を作り続けています。
東間3丁目現自治会長の小坂井雅夫さんは言います。「自治会のカギは防犯・防災・ごみ。ここで助け合うためにおまつり等のイベントで顔見知りになっておくんです。自治会は何かをやってくれる組織ではなく、皆が協力していろんなことをやるための組織です」
災害時に助け合うため、進化する東間1・2・3・4丁目自治会。高齢で自治会を退会する人も増える現在ですが、皆さんは「高齢だからこそ自治会で『何かあったら助けてね』と言える関係を作っておいてほしい。そのために自治会は必要」と話してくださいました。

◇〔Pick Up〕浅間神社敷地の災害時協力井戸
能登半島地震から学び、浅間神社では敷地内に井戸を掘り、「災害時協力井戸」として市に登録しています。災害時に水の供給が困難になった場合でも、この井戸から生活用水を手に入れることができます。

・どんな人たちがどんな家族で暮らしているのか、地域の皆さんの顔が見えるようになりました(東間1丁目前自治会長 荒井恒明(つねあき)さん)
・自治会長を経験して、わからないなかでも頼まれたことに真摯に向き合い、カーブミラー設置の要望など一生懸命やっていたら、地域ですごく信頼されるようになりました(東間2丁目自治会長 谷口文啓(たにぐちふみひろ)さん)
・役員の人選は本当に大変。世帯を回ってもやってくれる人はなかなか見つかりません。輪番にして、班長さんみんなで協力してやってもらえたら一番いいですね(東間4丁目前自治会長 天野政明(あまのまさあき)さん)

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