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〔特集〕地域医療の今ー北里柴三郎の新紙幣採用に寄せてー(1)

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埼玉県北本市 クリエイティブ・コモンズ

7月3日、20年ぶりに新しい日本紙幣が発行されます。中でも千円札に採用された偉人、「北里柴三郎」は、北本市内の病院、北里大学メディカルセンターを運営する北里研究所の創始者であり、ゆかりの深い人物です。
今回の特集では、北里柴三郎と地域医療の今を紹介します。

■人物
◇北里柴三郎〔細菌学者・近代日本医の学父〕
北里柴三郎は1853年に現在の熊本県小国町(おぐにまち)で誕生しました。東京医学校で予防医学の道へと進むと、卒業後は内務省衛生局でコレラの原因菌の究明に大きく貢献。その後はドイツに渡り、破傷風研究の中で血清療法を確立する等、細菌学者として世界での地位を築きました。
帰国後は伝染病研究所の所長に就任し、当時香港で流行していたペスト菌を発見。予防法を指導し、日本におけるペスト感染拡大を終息に導きました。
「病気を未然に防ぐことが医者の使命」との信念のもと、予防医学を実践した北里は、近代日本医学の父といわれます。
また、北里は「研究の成果は広く国民のために役立てられるべきである」と医学を社会に還元する「実学の精神」の重要性を説いた人物でもあります。
1914年には日本初の私立医学研究機関となる北里研究所を設立。晩年は福沢諭吉の志を継いで教育分野にも注力し、人材の育成に努めました。

◇〔コラム〕お札の“肖像画”はどうやって決まる?
お札の肖像の選び方に法令などで決められたルールはありませんが、おおよそ以下のような理由で選定されます。
(1)偽造防止のため精密な写真が入手できること
(2)品格のある紙幣にふさわしい肖像であること
(3)国民に広く知られ、業績が広く認められている人物であること
この3点を満たすため、多くは明治時代以降の人物が選ばれています。また、新しいお札の肖像画は、複数の写真を参考に、国立印刷局の工芸官が専用に書き起こしたものです。
改刷(お札のデザイン変更)の頻度はまちまちですが、近年ではおおよそ20年ごとです。今回の北里柴三郎氏の肖像画が採用された新紙幣は、これから日本を象徴するものとして長く使用されます。

■取組
◆「地域医療」が担うもの
「地域医療」とは、病院などの医療機関での治療やケアの枠組みにとらわれず、地域住民が安心して暮らすことができるよう、地域住民の健康を支える医療体制のことです。医療従事者が主体となり、地域住民に対して疾病の予防や健康維持・増進のための活動を行っています。現在は地域包括ケアシステムに基づき、在宅療養や地域に住む高齢者、障がい者への支援活動、妊婦への保健指導や相談、子育て支援なども行われています。
多岐にわたる地域医療の取組みから、一部を抜粋してご紹介します。

◇救急医療
救急医療とは、突発的な事故によるけがや、予期せず発生した病気に対応するための医療全般を指します。症状の重さに応じて初期救急、二次救急、三次救急の3段階に分かれて対応します。
救急医療は限りある資源です。本当に必要としている人が安心して利用できるよう、体調に不安を感じたら、昼間の診療時間内にかかりつけ医を受診しておきましょう。
ですが、本当に必要な時は、ためらわずに「119」で救急車を要請してください。

〔初期救急〕
対応できる症状:軽い病気やけが
受診方法:医療機関の外来へ直接
対応する医療機関:休日当番医・小児初期救急

〔二次救急〕
対応できる症状:入院・手術が必要な病気やけが
受診方法:救急車・自家用車等による搬送
対応する医療機関:北里大学メディカルセンター、桃泉園北本病院など

〔三次救急〕
対応できる症状:生命の危機に瀕するけがや急病
受診方法:救急車・ドクターヘリによる搬送
対応する医療機関:さいたま赤十字病院、埼玉医科大学総合医療センターなど

〔休日・夜間の急なけが・病気電話で相談できます〕
家庭での対処方法や受診の必要性について、看護師が相談に応じます。広報きたもとにも毎月掲載しています。
救急相談・医療機関案内:#7119
※IP電話、ダイヤル回線、PHSの場合は048-824-4199

◇災害医療
大規模な災害などが発生した場合、市は「緊急医療救護所」を各地域に設置し、医療機関等と連携してトリアージ(傷病の重症度等に応じた治療優先度の決定)を行います。その後、重症度などに応じて病院等への搬送を行います。こうした災害医療の地域ごとの中核となる病院を、県が災害拠点病院に指定しています。

◇周産期医療
母体・胎児や新生児の生命に関わる事態が発生する可能性が高い妊娠22週から出生後7日未満までの期間を「周産期」と呼びます。産後安心して地域で過ごせるよう、産科や小児科、市が連携を図っています。

■Let’s try!
◆私たち皆で支える医療
医療機関を利用する私たちの行動が、地域医療を支える大きな力になります。今後も安心して治療を受けるために心掛けたい行動を紹介します。

(1)まずはかかりつけ医に
体調に不安を感じたら、昼間の診療時間内に診療所・医院を受診しましょう。身近に「かかりつけ医」を持つことで、より適切な治療やアドバイスを受けることができ、病気の予防や早期発見・治療にもつながります。

(2)やむを得ず休日・夜間に受診する際は当番医へ
休日当番医は広報きたもと、新聞各紙に掲載しています(今月号は本紙情報面14ページに掲載)。

(3)日頃から健康管理を心掛ける
食事や適度な運動などの健康管理や健康診断の受診を心掛け、病気やけがの予防に努めましょう。

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