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〔特集面〕いつか空き家を相続したら(2)

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埼玉県北本市 クリエイティブ・コモンズ

■専門家Interview 知っておきたい空き家の「相続」「売買」
◇千木良康治(ちぎらやすはる)さん
〔相続は家族・親族関係に影響 よく話し合い、専門家も頼って〕
司法書士は、空き家の所有者や相続人の調査、相続手続き、場合によっては不動産業者の紹介等も行います。よくある相談が「所有者が意向を明確にしないまま亡くなり、次の世代が困っている」というケース。相続をめぐり、親族間のトラブルにつながることもあります。
相続にあたっては、不動産の名義を変更する「相続登記」の手続きが令和6年4月1日から義務化されました。正当な理由なく登記を怠ると、10万円以下の過料が科される恐れがあります。相続登記は(1)必要書類の収集、(2)相続人同士の話し合い、(3)申請書の作成、(4)法務局への申請、という4段階で行います。
「相続放棄」は、空き家という負の遺産のみならず、引き継ぎたい財産も放棄することになるので注意が必要です。期限内に裁判所への手続きが必要ですし、放棄すれば次の順位の親族に相続権が移り、関係悪化につながることも。
相続する場合・相続放棄する場合のいずれも、専門家に相談される方が良いと思います。
空き家は、親子・親族の関係に大きく影響します。残す側も、事前に「誰に継がせるか」を遺言書等で意思表示しておきましょう。わからないことがあれば、私たち専門家にご相談ください。空き家を残す側・残される側でそろってお越しいただくと、話が進みやすいでしょう。

◇高橋久雄さん
〔空き家の売却には事前の準備が必要 所有権や土地、道路等の現状把握を!〕
空き家をいざ売却しようと思っても、すぐに売却できない場合があります。例えば、
・所有者が認知症等で売却の意思確認ができない
・所有権が共有名義となっており、売却または売却価格について全員の同意が得られない
などがあります。
土地については、
・隣地との境界杭が不明(明示できない)
・古い測量図しかなく、現況と測量図の寸法が合っていない
・接面道路の付近が狭くセットバック(※)が必要
などの状況から、新たに土地家屋調査士による測量が必要となる物件は多いです。その際は、隣地所有者も立合いのもと、境界を確定しなければなりません。しかし、隣地も空き家の場合、所有者を探し、立合いを依頼するまでに時間がかかることもあります。
また、前面道路が私道の場合、私道の持分の取得や所有者の掘削承諾が必要となるケースもあります。その他、境界ブロックは誰が築造したのか(共有か)、ブロックに傾きは無いか、庇の越境は無いかなども、事前に確認してほしいと思います。
「墓守をどうするか」などと同様に、ご所有の財産についてもどうしたいかを明確にし、親族で話し合い、早い段階で各専門家へ相談することをお勧めします。

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