◆~文化財と災害~
▽吉川市は「文化芸術によるまちづくり」を一つの理念に掲げており、学芸員をはじめとする担当職員が、「文化財の保護と活用」に力を入れて取り組んでいます
▽その取り組みの一つに、川藤交差点近くにある「協同碑」があります。明治23(1890)年8月、大雨により各地域の堤防が崩れ、二郷半領(いまの吉川市、三郷市)は海のように冠水。そのとき、旭村(現在の吉川市旭地区)と松伏領村(現在の松伏町)の人々が力を合わせて水害を防いだことを記し、明治27(1894)年に建てられた石碑が「協同碑」です
▽石碑には、「皆、力を尽くし、昼夜防禦すること十二日にして、ようやく水害から逃れることができた。そして、このことを記して、子孫である人たちにも伝え、永くこの美事を語り継がせたい。」ということが記されています。しかし、この石碑の存在は徐々に忘れ去られ、知る人も少なくなっていました。そこで、吉川市では、「協同碑」の調査や周辺環境の整備を実施しました。調査は、多くの方々に知っていただけるようにと「川とともに生きる」として冊子にまとめ、また、整備においては、雑木を伐採し、通り道をつくり、石碑を見やすくしましたので、ぜひ多くの皆さんに見て、知っていただけたらと思います
▽6月から10月までは「出水期」と言われ、大雨や洪水が多い時期となります。吉川市でも、この約10年で4度、避難勧告等を発令しており、いつ水害が起こってもおかしくない状況にあります。そうした中、「協同碑」のような「自然災害伝承碑」を多くの皆さんに知っていただくことは、水害への準備の面でもとても有益です
▽このような例をはじめ、今後も、教育分野や福祉分野などさまざまな分野において、「文化財を活用したまちづくり」を進めてゆきますので、ぜひ、吉川市の「文化財への取り組み」に関心を寄せていただければと思います。
問合せ:政策室
【電話】982・9445
【FAX】981・5392
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