■こだわりポイントは?
やはり鉢形城の復元CGです。発掘調査できている所もあればできていない所もある。そんな鉢形城をほかの同時代の城郭を参考にしながら、あるべき姿として高精細CGで再現しました。
また、鉢形城歴史館内にあるマーカーを認識することで、鉢形城が豊臣軍5万人に囲まれている様子を見ることができますが、再現するに当たり、実際に5万人の前田・上杉・真田勢らの豊臣軍の兵を鉢形城の周囲に配置しました。一人一人の兵はとても小さく見ることはできませんが、ここまでのこだわりをもって作成した復元CGは私の知る限りありません。これはもう開発者のこだわり以外の何物でもありません。しかしそれが開発者にとっても楽しいのです。
そしてもう一つ、北条氏邦3Dモデルの兜(かぶと)です。氏邦着用と伝わる兜をじっくり撮影させていただき、CGで細部まで完全再現しました(前立ては想像となります)。神様の名前がずらりと並ぶ兜は非常に珍しいものです。Yotte GO!を使えばこの兜をかぶった北条氏邦がARで出現しますのでぜひ間近でご覧ください。ただし、北条氏邦は馬に乗って走り回っているので、兜を間近で見るのは至難の業ですけれども(笑)。
■イチオシの機能は?
「周遊スタンプラリー」で全スタンプをゲットしたり「籠城戦ゲーム」で全ステージをクリアしたりすると“宝物”として壁紙がゲットできますので、ぜひ挑戦してみてください。特に「籠城戦ゲーム」の全ステージクリアはとても難しく、作った人間でもよほど頑張らないとクリアできないほどです。
■自治体DXはどのように進展していくと考えていますか?
さまざまな事柄にデジタル技術は活用・応用できます。そんな中で私が携わっている歴史・文化財・観光へのデジタル技術の活用は、今後もどんどん広がっていくと思っています。
特に「AR」という技術は使いどころが難しい技術です。“目の前にCGが出現し、さもそこに存在しているかのようで面白い”という技術ですが、反面、この技術をどこで使うのかとなると、これが意外と使いどころが難しい技術です。そのような「AR」を有効に使えるフィールドが、城郭などの“今はすでになくなってしまった建築物の復元体験”です。「VR」という言葉は「バーチャル・リアリティ」の略称で「フルCG」であったり「360度画像・映像」であったり、さまざまな意味で使われる言葉になってきましたが、この「AR」「VR」による“復元体験”は、今後もますます広まっていくものと思います。
今やスマートフォンは1人1台が当たり前の時代になりました。これを有効活用しない手はありません。全国どこの観光地や史跡に行っても案内看板が当たり前に存在するように、全国どこの観光地や史跡に行っても案内アプリや復元体験アプリが当たり前に存在するようになればとても便利になります。そして、デジタル技術にはインターネットを通して人と人とを“つなげる力”がありますので、人の往来・交流がさらに増えることにつながるのではないかと思います。そんな時代になるように引き続き私も頑張っていきます。
■最後に一言
歴史好きな方も、そうでない方も、老若男女、年齢問わずたくさんの方が遊んでいただけるアプリになってます。ボリューム盛りだくさん、遊び応え満点のアプリをぜひお楽しみください。
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