■区長のやりがい、難しさ
町長:区長になられて数カ月ですが、区長職と、仕事やプライベートとの両立はいかがですか。
加藤:地区の方に理解をいただくよりも、家族からの理解を得る方が難しいかもしれないです。やはり土曜日、日曜日に書類整理をすることが多いうえに、就任して数カ月にもかかわらず、区長として家を空けることがあります。
町長:荒井区長は先ほどご主人が背中を押してくれたとお話がありましたが、家庭での協力関係はいかがですか。
荒井:回覧物等をパソコンで作成するのですが、私が作った書類を夫が見直しや添削をしてくれます。
加藤:仕事については、有給休暇も使わせてもらっていて区長の業務に理解のある職場です。自分自身も休暇を使って地域の活動に参加すること自体抵抗はないです。何事もそうですが周りの人の理解がないと動けないですね。
町長:家族や周囲の理解がないと厳しいですからね。荒井区長もお仕事をされていらっしゃいますが、仕事に対する影響はありますか。
荒井:あまりないですが、都合によっては早めに上がらせてもらっています。
町長:お仕事もやりくりしていただいているんですね。
加藤:地域の方から地域の事情を教えてもらったり、役員経験者からアドバイスをもらったりすることで、区長としてある程度業務を回せているので「本当にありがとうございます」の一言に尽きます。
荒井:区長になってみて、意外と仕事が多いのでびっくりしました。区のことだけではなく三ケ山監視委員会や男衾駅周辺地区まちづくり協議会の仕事がありました。地区の皆さんから電話がかかってきますが、クレーム等はなく、難しい案件もまだないのでそれなりに対応できています。
この4年間はコロナ禍であったため、地区のイベントを中止して、人が集まることがありませんでした。昨年からはイベントを再開した地区もあると聞きます。イベントを昔から大事にしている方もいますが、やりたくないという方もいるので意見をまとめていくのが難しいですね。
町長:今までやっていたものですが、コロナ禍で4年間空きましたので、地区の現状を考えると「ちょっと難しいだろう」という意見もあると思います。
荒井:地区の運動会に関しては、年配の方ばかりで「今までみたいな競技はできないよ」という意見もありました。
加藤:区長になってよかったと感じたところは、町民として町との距離が近づいたところです。地区の方に声をかけると明るくいろいろなことを教えてくれます。近所同士のコミュニティが形成されていてさまざまな情報を得られるので活動しやすいです。また、登下校時に子どもたちが元気にあいさつをしてくれるのもうれしいですね。
■寄居町に望むこと
町長:寄居町に望むこと、まだ足りていないところがあればご指摘いただきたいと思います。
荒井:寄居町の健康寿命で女性が県内最下位というのを知り、健康に関わる仕事をしているのでとてもショックでした。町民の皆さんの健康的に生活できる期間が延びればいいと思います。
町長:健康問題は寄居町の大きな課題です。人生100年時代に、皆さんが健康で長生きできるよう、何とかしたいと思っています。
加藤:僕が高校生で部活動をやってる最中に東日本大震災が起きました。震災により電気、ガス、水道が使えず、物流も止まっていましたが、自治会や地域のつながりで、何とかやりくりできたと思います。そういう点でも自治会は重要だと思います。日頃の防災訓練などで地域のつながりの必要性を自治会に新しく入ってくる方々にどう伝えていくかというのも問題だと思います。
町長:そうですね。自治会の意義を理解し、皆さんに自治会の必要性を感じてもらえるといいですよね。
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