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今月のFujimist

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埼玉県富士見市

■坂本 多瑛(たえ)さん(大宮光陵高校 美術科)
アイスクリームを地面に落とした少女の一瞬を捉えた、全長約140cmにも及ぶユニークな彫刻作品『あ…』。「近所に住む女の子をモチーフに、まさにその瞬間の全身が固まるようすや悲しみの感情を表現しました」。そう語るのは、市内在住で高校3年生の若きアーティスト・坂本多瑛さんだ。昨年の第65回埼玉県高校美術展において見事優秀賞に輝き、「文化部のインターハイ」とも呼ばれる全国高等学校総合文化祭に出展された。
幼いころから絵を描くことが好きだったという坂本さん。中学の美術部の恩師に絵画を褒められたのがきっかけで、本格的に美術を学び始めた。高校では美術科のある学校に入学し、美術部と弓道部を兼部しながら忙しい日々の中で活動に励んでいた。高校2年生のとき、全国への出展を目標に今回の彫刻作品に挑戦したが、制作中は時間と技術の面で課題が山積みだったという。「弓道部の活動もあり、無理やり時間を作っていました。放課後、校舎が施錠された後は校舎の外で制作することもありました」と振り返る。
怒涛(どとう)の日々の中で作り上げた末、彼女は夢の舞台への切符を手にしたわけだが、結果を聞いたときは驚きと疑念を抱いたという。「あり得ないという気持ちでした。自分では納得していなかったので…。でも作品が評価されてうれしかったです」と笑みを浮かべながら当時の心境を語った。
「満足のいく作品ができたことは一度もありません」という坂本さんだが、これまでも数々の美術展やコンクールで入賞するなど、着実に結果を残してきた。美術以外でも、幼少期に始めたそろばんと高校で始めた弓道において、念願の初段合格を成し遂げるなど、どんな時でも「有言実行」をモットーに多くの苦難に立ち向かい、壁を越えてきた。
高校卒業後も美術の探求を深めたいと話す坂本さん。現状に満足せず、常に向上心を持ち目標を達成する強い意志、そしてストイックに努力する精神は、夢に向かって進む彼女を後押しし、未来への成功のカギとなるだろう。

問合せ:文化・スポーツ振興課
【電話】049-257-6352

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