■細貝 龍生(りゅうき)さん
(富士見市障害者施策推進協議会委員)
◇芽生えた「人のために」との想い
「小学3年生から高校3年生まで野球をやっていました。夢は、再びピッチャーとしてマウンドに上がることです」と語るのは、市内在住で富士見市障害者施策推進協議会の委員を務める細貝龍生さん。
今から3年前の11月だった。当時大学3年生でアルバイトから帰宅する途中で交通事故に遭った。目が覚めると、どこか分からない病院のベッドの上にいて、年が変わっていた。意識がはっきりと戻ったのは事故の翌年3月のことだった。3か所の病院への入院と障がい者施設での自立訓練の末、自宅に戻った時には事故から1年10か月が経過していた。今も体には脊髄損傷による体幹、両下肢および左上肢のまひと、脳挫傷による高次脳機能障害が残り、電動車椅子を使用した生活を送る。
交通事故に遭うまでは、地域活動に参加したことがなかった細貝さんだが、「自身の経験を伝えることが誰かのためになれば」との想いから、広報で募集していた同協議会委員に応募し、現在は、委員として障がい者施策推進のため活動を行っている。
◇困難に打ち勝つ強い意志が導く未来
電動車椅子での生活を決して悲観せず、地域活動に励む細貝さんは、「車椅子を使用するようになったことで世の中にはたくさんのバリア(障壁)があることに気が付きました。私の経験を広く伝えることでそれらのバリアをなくし、誰もが不自由なく暮らせるまちづくりを目指したいです」と前向きに、そして、力強く意気込む。現在は、あいサポーター研修で自身の経験を受講者に伝える当事者メッセンジャーの養成研修を修了し、実践を今か今かと待っている。
「事故で休学していた期間もありましたが、今年9月に大学を卒業したので、次の目標は就職すること。自分らしく働ける場所を見つけたいです」と語る細貝さんの目は輝く。この先どんなピンチが待ち受けていようとも、壁を打ち破ってきた細貝さんの強い意志を宿した投球は、明るい未来へ真っすぐ進んでいく。
問合せ:秘書広報課
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