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【特集】あなたの未来を支えたい 里親という愛のカタチ(2)

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埼玉県富士見市

■INTERVIEW 地域の子育てとしての里親制度も広めたい
・社会福祉法人同仁学院 児童養護施設あいの実 里親支援専門相談員 小澤 瑠衣さん
令和5年度から県の里親フォスタリング事業(※)の委託を受けている社会福祉法人同仁学院では、主に里親を増やす活動と、里親登録希望者への研修などを行っています。
里親を増やす活動では、地域のイベントやパネル展示、入門講座などで周知を行っています。現状、養子縁組を前提とした里親のイメージを持たれることが多く、里親になることに対しハードルが高いと感じられています。そのため、短期間から預かる里親制度の一つ、「養育里親」について説明することが多いです。
昔は里子を育てるために里親自身が身銭を切ることが多かったのですが、養育里親には里親手当などもあり、里親の経済的負担を軽くすることで、社会で子どもを支えられるような制度が整ってきています。実親がいることを告げる「真実告知」についても、子どもの権利として告知することが推奨されています。伝え方としては絵本の読み聞かせのほかに、同じ境遇である里親同士の交流の場などを設けることで、真実告知の仕方についての情報交換がとても役に立っていると思います。
また、これから里親を希望する方には、里親制度は「子どものための制度」であり、里子にとっての幸せを第一に委託先を決めるものであることを伝えています。いざ生活が始まると、子どもたちは里親をあえて困らせる行動を取ることがあります。「ためし行動」といわれるもので、里親の反応を見ることで愛情を確認しています。里親側が対応に疲弊し、そこで手放してしまうと里子もまた傷ついてしまいます。県では里親への支援として、先輩里親が寄り添う「里親しっかりサポート事業」を推進しています。里子の幸せのための制度ではありますが、里親もともに幸せになることが大切だと考えています。
さらに里親制度、特に短期の養育里親の認知が広がれば、周囲の方や実親側の理解も得やすくなります。養育里親によるショートステイが成り立つようになれば、実親の負担も軽減でき、育児疲れによる虐待予防にもつながるのではないかと考えています。加えて、親が入院などで子どもが施設に入らざるを得ない状況になった場合、子どもはその間学校に通えないことが多いです。一時的に里親宅で預かることができると、家庭的な環境のなかでいつも通り学校にも通うことができます。市内に里親というよりどころがあれば、子育て支援の輪が広がります。
入門講座を実施するこの機会に、地域の子育ての一つとして養育里親についても考えていただければと思っています。

(※)里親フォスタリング事業とは
県では里親支援業務の一部を委託し、里親登録に必要な研修・実習をはじめ、里親希望者の相談に応じ、里親家庭になることをサポートしています。川越児童相談所管内では社会福祉法人同仁学院が事業を行っています。

■INTERVIEW―里親の声―子育ての苦労と幸せは里親も実親も変わらない
・「息子と出会えて本当に嬉しかったです」と、歩んできた思い出を振り返り、涙交じりに話してくれたAさん
私たち夫婦の場合は、出産には命の危険が伴うと医師から告げられ、それでも「子育てをしたい」という想いが諦めきれず、養子縁組を前提として里親になることを決めました。もちろん「子どものため」という里親の趣旨は理解していましたが、親として子育てへの想いも捨てられずにいました。息子とは、児童相談所を通じ、乳児院にいた生後6か月のときに出会いました。週に数回ミルクをあげたり、ベビーカーで散歩をしたり、お泊まりなどを重ね、里親に決まり、のちに養子縁組を結びました。
里親として始まる子育てでは、例えばご近所にどのように伝えようかなど悩みが尽きません。また、法的に親子となるまでは保険証も通常とは異なり、里親であることを病院で説明しなければならないこともあります。さまざまな悩みや不安などを抱え込まないための支援の一つである里親同士の会は、参加することが楽しみでもありました。
同時に、息子の昼寝の時間が待ち遠しくなるほど、ほかのお母さんたちと同じ悩みも抱えていました。ただ、後悔したことは一度もなく、喜びもたくさんあります。息子が初めて歩いたときのこと、誕生日をお祝いしたときのことなど、日々のささやかな成長を幸せに感じています。小学生になった息子は今、スポーツに打ち込んでいます。一緒に遠征して応援するたび、将来、このときの幸せを思い出すのだろうと思っています。
また、「真実告知」については小さいころから絵本を通じて伝えていました。息子がふと、「ママはおばあちゃんから生まれて、おばあちゃんはひいおばあちゃんから生まれて、じゃあぼくは?」と自分の出自を聞いてきたときには、「生んでくれた人が別にいるんだよ」と改めて伝えました。そこで里親という事実だけを伝えるのではなく、「家族として私たちはあなたとずっと一緒にいるよ」ということを第一に伝えています。
当事者としてつらい思いをするかもしれないのは息子本人です。気持ちを受け入れつつ否定しないことを心掛け、どう答えてあげられるかを考えています。里親についてタブーにせず、疑問に思うことは聞いてもらい、そのうえで、いろいろな家族のカタチの一つであることを感じてほしいです。息子には自分の頭で考え、信じる道を歩んでほしいと思っています。
私は現在、里親の支援活動にも携わっています。これから里親を考えている方にとっては、心配ごとがたくさんあるかと思いますが、研修や先輩里親の体験談・対話を通じて、進む道を決めてもらえたらと思います。

■里親QandA
Q.どのくらいの収入が必要ですか
・基準はありません。日々の生活が安定して維持できていれば問題ありません。
※生活費などの支給あり

Q.年齢制限はありますか
・養育里親の場合、体・精神・経済的に子どもを養育できる状態であれば年齢制限はありません。

Q.実子がいても里親になれますか
・可能です。実子と話し合い、新たな家族として迎え入れていただくことができます。

■里親についてもっと知りたい方は
◇里親入門講座 in 川越
里親になりたい方をはじめ、里親制度について知りたい方、体験談を聞いてみたい方など、どなたでも参加できます。
日時:2月23日(祝)午後1時30分~3時30分
場所:ウェスタ川越
内容:里親制度の説明、里親・里子の体験談
定員:70人(無料、申込順)
主催:社会福祉法人同仁学院
申込み:Web・FAXで

申込先・問合せ:乳児院さまりあ
【電話】042-980-7780【FAX】042-980-7781

◇里親制度パネル展示
日時:2月1日(木)~16日(金)(最終日は午後4時まで)
場所:富士見市役所1階市民ホール

問合せ:子ども未来応援センター
【電話】049-252-3773

◇埼玉さとおやこども広場ホームページ
※本紙掲載の二次元コードからご確認ください。

問合せ:子ども未来応援センター
【電話】049-252-3773

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