■カワノ・ナミ さん
(イラストレーター)
◇愛猫の支えで今がある
「優しい気持ちや元気を届けられたらいいなと思って、鮮やかな色合いと柔らかな曲線で描くことを意識しています」と語るのは、市内在住のイラストレーターカワノ・ナミさん。その鮮やかな色彩が放つ魅力的な作品が評価され、有名コーヒーチェーン店のタンブラーなどのデザインを手がけた経歴を持つ。現在は作品制作の傍ら、キラリ☆ふじみでワークショップを定期的に開催し、絵を描く楽しさを子どもたちに教えている。
かつては福岡でデザイン事務所に勤務していたが、独立して夢をかなえる先輩への憧れと自分の表現したいことを追求できる魅力に独立を選んだ。しかし、あてもなく上京し、苦手とする営業活動に心が折れそうになった。転機が訪れたのは愛猫「ニャン兄」との出会いだった。元は野良猫の「ニャン兄」は、部屋の窓から遊びにきてはカワノさんに元気を与えた。その後、正社員猫に採用し、事務所の看板猫として作品にも登場。数ある作品のなかでも「ニャン兄」を描いた作品(写真右)はカワノさんの大のお気に入りだ。「隣でお昼寝しているだけの企画営業部長猫でしたが、私の心の支えでした」。苦楽を共にしたニャン兄は天国へと旅立ったが、現在は保護猫のルナとサニーが寄り添う。
※写真は本紙をご確認ください。
◇子どもたちの夢の後押しを
結婚を機に、子育てのしやすさから富士見市で暮らすことにしたカワノさん。ワークショップ開催のきっかけは、「友達にも絵を教えてほしい」との愛娘のお願いだった。子どもたちの、のびのびとした色使いや自由な発想を褒めると喜んでくれる姿に、小学生のころの自分が重なった。
「担任の先生に絵を褒められてうれしかった体験が夢を描くきっかけでした。恩師のように、夢に向かって挑戦する子どもたちの背中を押すことができればいいなと思います」。
ふるさとの長崎で行った展覧会では、カワノさんの作品に心を動かされ絵の道に進むことを決めた子どものことを保護者から伝えられ、とてもうれしかったそう。今後は都内の高校でもアートイベントの講師を務める。これからも子どもたちのまぶしい未来を、その鮮やかな色彩で彩ってくれるだろう。
問合せ:秘書広報課
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