集落支援員(地域交流支援員) 本 奈代子
【おがの・地域ネットワーク:奈倉美観地区構想が目指すもの】
奈倉美観地区構想とは、ようばけなどの地質資源や美しい自然環境、奈倉館跡や石塁、歌舞伎や神楽などの歴史・文化資源を活かし、里山を10年後20年後の未来へ引き継ぐというビジョンを奈倉耕地主体で実現していこうというものです。(1)文化・歴史・景観エリア(仮称)と(2)自然・学習・交流エリア(仮称)をメインに整備しながら、交流拠点も設けていく計画です。
壮大にも見えますが、年間を通してユニークな行事が行われている奈倉には、その素地があると言えます。その核にはどんなビジョンがあるのでしょうか?
それを紐解くため、本構想の発起人の一人である濱田勝己さん(以降:濱)と、奈倉大徳院ご住職・斉藤徳生さん(以降:斉)にお話を伺いました。
Q.斉藤さんと大徳院とのご縁を教えてください
(斉)私の父や地域の方が先代の住職に大変惹かれていて、自分も高校卒業時に進路を選択する頃には、仏教の道に進むことを意識しました。
Q.斉藤さんの目から見て、地域づくりはどう映りますか?
(斉)団塊の世代の私達が子どもの頃は社会全体にエネルギーがあった。世の中が変わり、最近は若い人が大人しくなったように感じます。今の時代にはどんなやり方がいいのか、模索しているのではないでしょうか。
Q.改めて、美観地区構想の意味は何だと思いますか?
(濱)私達は1年2年で華々しい成果を出そうとしているのではなく、皆がそれぞれの持ち味を発揮して彩りが噛み合うよう、和気あいあいと活動しています。いつも縁の下の力持ちとして見守ってくださる、斉藤様には感謝しています。
Q.奈倉地区にとって、大徳院や地域の方々の理想の姿を教えてください
(斉)お互いに一緒に顔を合わせてお茶を飲んだり話をしたり、色々に触れてもらったり、生活の中にお釈迦様の教えがあり、命と命の触れ合いが積み重ねられていくことを願っています。
(濱)ここで原体験を得た子どもたちが、ふるさとから出たとしても、振り返った時に思い出せる、奥深い所に刻まれていくようなことを大切にしていきたいですね。5月の「奈倉こどもの日」が象徴的です。昔の子どもに還ることのできる時を味わっています。
(斉)そうですね。まさに昔の「縁日」のようです。
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