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こんにちは 町長です

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埼玉県小鹿野町

◆里山資本主義について
9月20日(水)に、「里山資本主義の時代へ~これから起きる地方と都会の逆転」をテーマに藻谷浩介氏から講演をいただきました。藻谷氏は東京大学卒業後、日本開発銀行(現(株)日本政策投資銀行)に入行し、現在は(株)日本総合研究所主席研究員などを務めていらっしゃいます。
里山資本主義とは、2013年に藻谷氏とNHK広島取材班が出版した著書の中で提唱された言葉(造語)です。藻谷氏は里山資本主義とは「多様なものが共生し、循環再生が健全になされている社会」を支える経済思想で、「ヒト、モノ、カネ、情報が使い潰されず、淀まず、循環し再生され、次世代に続いていく社会」を目指す主義と定義しています。そして、里山資本主義とは、お金を使うことを基本としているが、金銭換算できない価値もお金と同等以上に大事にすることで「マネー資本主義」の対義語と捉えています。
更に、里山資本主義の基本要素として、地域にある金銭換算できない資源を生かした事業を行ったり、自給自足を取り入れたり、地域コミュニティーにより助け合ったりすること(物々交換、恩送りなど)の価値を捉え直したり、お金は交換手段で価値の物差しにしないことなどをあげ、日本経済の健全化を根本から考え直して行くことを提言されています。
藻谷氏は都会での暮らしの脆弱性を指摘し、地方での自然資本を生かして自然利子を生むことができる暮らしぶりに価値を見いだす人が増えてきている傾向がある反面、いまだに首都圏に若者が流入している状態が続いている根底にある考えが「いい教育を受けるには首都圏しかない」というもので、保護者も「子どもを時代の勝者にするには都会のエリート教育が必要だ」と信じている人が多いことが地方の疲弊につながっているとも分析しています。
今回の講演を聴講していただいたり、その後のパネルディスカッションに参加していただいたのは、町内で地域づくりに主体的に取り組んでいただいている6団体(尾ノ内渓谷氷柱実行委員会、両神山麓花とみどりを育てる会、倉尾上郷健交サロン、長留桜を守る会、あじさい公園記念植樹会、奈倉美観地区推進委員会)の皆様方が中心でした。現在、この6団体で「おがの・地域ネットワーク」を組織し、情報を共有し、互いの活動への理解と団体間の交流連携を促進しています。将来的には、地域づくりに取り組んでいる他団体にも参加していただくことを予定しています。
私は、この6団体の普段の活動を高く評価しており、このような活動が町全体に広がれば、小鹿野町が更に住みよい元気な町になると思っています。今回の講演で、この6団体の皆様方に自分たちが取り組んでいる地域愛に満ちた活動に自信を持っていただきたいことや、藻谷氏の提唱する里山資本主義の考え方に共鳴してもらえるものと思い開催させていただきました。
藻谷氏には、これからも小鹿野町にお越しいただき、里山資本主義などのお話を広く町民の方にもお聞きいただく機会を設けたいと思っております。

小鹿野町長 森 真太郎

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