町立病院だより

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■思いつくまま　気のむくまま　80
◇ドクター内田のひとりごと「「心の廃用症候群」予防を」
12月になりました。早いですね、もう一年が終わります。皆様にとってこの一年はどんな一年でしたか?
さて、先日は健康ふれあいフェスティバルが開催されました。42回目(町民輪投げ大会は39回目)を迎えたこのお祭り、今回も多くの方々にお越しいただきました。私も各ブースをあちこち回ってみたのですが、太極拳でほんの少しだけ体がまっすぐになった気がしたり、読み聞かせの世界につい聞き入ってしまったり、相変わらずの輪投げ大会の熱量に圧倒されたりと、とても有意義な半日を過ごしました。もちろん今年も入棺体験コーナーがありました。遠くからわざわざ入棺のために小鹿野町に来てくださった方もおられました。参加していただきました皆様、ご協力いただきました関係団体やスタッフの皆様にはあらためて御礼申し上げます。
このふれあいフェスティバル、40回以上開催されていることは本当に驚きです。そもそもの目的は「町民の健康意識の高揚と、町立病院の理解をはかること」とありました。そのような趣旨で40年以上も続いていることは本当に素晴らしいことです。住民の皆様と行政と病院が一体となった地域包括ケアが、全国的にも先駆的に進められてきた小鹿野町に誇りすら感じます。実際に当町はこの地域包括ケアと精神保健活動によって、2004(平成16)年に「第56回保健文化賞」を受賞しています。以前は一人当たりの医療費が県内でもトップクラスで低かったのですが、最近ではというと…。
ところで皆様、廃用症候群という言葉を聞いたことがありますか?風邪で寝込んで体力が落ちた状態が長く続いている、と言えばわかりやすいでしょうか。廃用症候群とは、病気やけがで安静にしていることによって活動性が低下し、体や精神に様々な影響をもたらす状態のことです。先日私の購読している雑誌で「心の廃用症候群」という言葉を使っていたエッセイがありました。そこでは精神的な活動が低下することについて警鐘を鳴らしていました。確かに最近では、ミスをなくすためにできるだけマニュアルやガイドラインを使うようになり、後にトラブルにならないようになんでも同意書を取る時代になっています。また、スマホで簡単に情報が得られるため覚える必要もなくなっています。訴えられた時に困らないようなアリバイ作りの「同意します」が溢れかえっているのでは、とも指摘されていました。このような機械的コミュニケーションが先行し、頭や心を使わなくなっている状態を「心の廃用症候群」と表現されていました。なかなかうまいこと言うなと感心して読んでいましたところ、電車の前の座席で1歳ぐらいの男の子が「ぱぱーままー、でんしゃー」と一生懸命に両親に話しかけていました。この子は今どんどん体と心と脳が成長している。私は退化する一方だ…としみじみと思ったことでした。

結果にこだわるな、成功にこだわるな、成長にこだわれ
(本田圭佑：元日本代表プロサッカー選手)

一番大切なことは、単に生きることではなく、善く生きることである
(ソクラテス：古代ギリシャの哲学者)

人間にとって最高の幸福は、一年の終わりにおける自己を、その一年の始めにおける自己よりも、遥かに良くなったと感ずることである
(トルストイ：ロシアの思想家、小説家)

心も体も廃用していかないよう、健康について命について考えながら日々成長していきたいものです。本年も一年間ありがとうございました。新しい年が皆様にとっていい年でありますように。

院長　内田　望(うちだのぞむ)

《外来からのお知らせ》
◇診察時間の変更　(11月13日現在)
▽12月1日(金)
11：30まで　総合診療科　植木先生
▽12月22日(金)
11：30まで　総合診療科　植木先生

最新の休診情報は、町立病院のホームページ「診療日カレンダー」でお知らせしています。
※休日急患当番医は本紙17ページをご覧ください。

◇発熱外来
発熱や咳など呼吸器症状等のある人は、発熱外来で対応します。必ず、事前にお電話(【電話】75-2332)いただき受診方法をご確認ください。
対応時間：13：30～(受付時間：8：30～14：00)

〈お子さんをお持ちの人へ〉
小児については、小児科医による診察が望ましく、かかりつけ小児医療機関や埼玉県新型コロナウイルス感染症県民サポートセンター【電話】0570-783-770(24時間対応)に電話などでご相談ください。

問合せ：国保町立小鹿野中央病院(小鹿野町小鹿野300番地)
【電話】75-2332
【FAX】75-3313
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