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自治体の皆さまへ

町立病院だより

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埼玉県小鹿野町

■思いつくまま 気のむくまま 77
◇ドクター内田のひとりごと「聞くこと 聴くこと」
9月になりました。これから少しずつ過ごしやすくなってくる、と思われる秋になります。皆様いかがお過ごしでしょうか。
ところで、皆さんはラジオを聞きますか?私はよく聞きます。結構面白いです。ラジオは、何かしながら聞けます。まず、朝起きて一番にラジオをつけます。着替えながら、ご飯を食べながら、仕事の準備をしながらラジオを聞きます。お風呂に入りながらもラジオを聞いています。ラジオがとっても好きなんですと言いたいところですが、実は家にはテレビがないのです。テレビのある環境だとついつけてしまいます。映像を見ることに夢中になってしまい、やらなければいけないことができなくなってしまいます。テレビのない生活って耐えられるかなと思っていましたが、なければないで案外何とでもなることがわかりました。ラジオ、結構いいです。
どの放送局だったか何の番組だったか覚えていませんが、先日は豊かさについての話がありました。「若い頃はいろんなものが欲しくて、がむしゃらに集め、モノがあふれることが幸せだと思っていた。ところが歳をとるにつれ、毎日のルーティンワークが大事になってくる。普段の自分を見つめなおし、無駄な時間をなくし、普段の日常で自分の現在を確かめることができる。そういう意味でシンプルな生活のほうが豊かだ」といった内容だったと思います。
ラジオって、時に考え方や生き方まで教えてくれます。テレビでは生き方まで影響を及ぼすようなことってこと、ほとんどありませんよね。耳から入ってる情報だけのほうが人生のヒントを与えてくれているというのはすごいことかもしれません。
話は変わって、今年6月15日の読売新聞の記事に、上智大グリーフケア研究所名誉所長の高木慶子(よしこ)さんの話が載っていました。昨年4月に知床半島沖で発生した観光船の沈没事故。その被害者家族の相談相手になってほしいとの依頼があったというのです。「悲しみとどう向き合うのか」というのがテーマ。大切な人を失い混乱の中にある人たちに、問いかけることはせず、深い悲しみや苦しみ、怒りなどの感情を聞き、その気持ちを認めること、とありました。自分からは聞きだしたり助言はしない。感情を思いのままに吐き出してもらう。「必要なのは助言ではなく、ただ寄り添うこと」との言葉が印象的でした。
先日参加したある学会で、スピリチュアルケア(霊的な痛みのケア)に対しての対処法も、ただひたすら真剣に聞くこと(聴くこと)、と言っていました。
ラジオから流れてくる一方的な言葉に時にハッとさせられます。遺族からの悲痛を聴くことは時にすごくエネルギーが必要です。聞くことと聴くことの違いこそあれ「きく」ということの中に何かヒントがある気がしました。

人には口が一つなのに、耳は二つあるのは何故だろうか。それは自分が話す倍だけ他人の話を聞かなければならないからだ。
(ユダヤのことわざ)

聞くよりもしゃべってしまうことが多い私ですが、聞くことを意識して今月過ごしていきましょうか。みなさま、自分の心の中、家族の声、聴いていますか?

院長 内田 望(うちだのぞむ)

《外来からのお知らせ》
◇休診(8月8日現在)
9月4日(月) 総合診療科 内田先生
9月6日(水) 総合診療科 内田先生
9月8日(金) 総合診療科 山下先生
9月11日(月) 総合診療科 山下先生
9月12日(火) 耳鼻咽喉科 荒木先生
9月16日(土) 整形外科 前田先生
9月26日(火) 耳鼻咽喉科 荒木先生
9月27日(水) 総合診療科 伊藤先生

◇発熱外来
発熱や咳など呼吸器症状等のある人は、発熱外来で対応します。必ず、事前にお電話(【電話】75-2332)いただき受診方法をご確認ください。
対応時間:13:30~(受付時間:8:30~14:00)

〈お子さんをお持ちの人へ〉
小児については、小児科医による診察が望ましく、かかりつけ小児医療機関や埼玉県新型コロナウイルス感染症県民サポートセンター【電話】0570-783-770(24時間対応)に電話などでご相談ください。

最新の休診情報は、町立病院のホームページ「診療日カレンダー」でお知らせしています。
※休日急患当番医は本紙21ページをご覧ください。

問合せ:国保町立小鹿野中央病院(小鹿野町小鹿野300番地)
【電話】75-2332
【FAX】75-3313
『小鹿野中央病院』で検索

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