町立病院だより

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■思いつくまま　気のむくまま　81
◇ドクター内田のひとりごと「自分の「中の人」
新年あけましておめでとうございます。皆様にとって昨年はどんな一年でしたか?
私はいろいろありました。特に最近では11月に網膜剥離を発症したのです。右目の左上(鼻側)からだんだんと視界が黒くなってきました。日食が進んできている感じです。すぐに眼科を受診しましたところ網膜剥離の診断で、緊急に処置をしていただきました。おかげさまで現在では視野は戻り、術後しばらく続いた映像のゆがみも徐々に改善、現在ではほぼ(というか今まで以上に)見えるようになりました。しばらく安静が必要だったので思いがけずお休みをいただく形となり、皆様にはご迷惑をおかけしました。しかし網膜剥離の発症直後、視野がどんどん暗くなっているときに思ったのは、このまま見えなくなったらまさにお先真っ暗だな…ということでした。
そんな網膜剥離より少し前の話です。東京都内でやや混んでいた電車に乗っていた時に気になることがありました。背筋はきちんと伸ばしていますが、どう見ても90歳ぐらいだろうと思われる高齢の男性が電車に乗ってきました。ドア付近の手すりにしっかりとつかまっていましたが、座っている人たちは気づいていないのか、皆スマホを見ているので誰も立ち上がろうとはしません。反対側で立っていた私はなんだかもやもやしましたが、2駅ほど乗った後その方は何事もなかったかのように電車を降りました。その後、やはり80歳を超えているであろう女性が乗ってきました。今度は電車の中ほどまで進まれたのですが、ずっとスマホを見ていた茶髪の若い男性がさりげなく立ち上がって席を譲ったのです。心の中で「よし」とつぶやいたことでした。
ところで話は変わって、皆さんは「中の人」という言葉をご存じですか?私は知らなかったのですが、先日の安静にしていた休み中にNHKラジオの「国語辞典サーフィン」という番組でこう説明していました。「中の人」とは顔が見えない状況下にある人のことで、マスコットや着ぐるみの中に入っている人、アニメの声優さんなど、特定の役割を演じている人。組織や企業の裏方さんやサービスの提供者などを指すこともあるとか。実際に10年以上も前から辞書には掲載されているようです。なるほどそんな言葉があったのか、と感想を抱いたのですが、その時ふと「中の人」って実は私たち一人ひとりの中にもいるかもしれないなあと思ったことでした。
普段は自分の意思で行動しているのかもしれませんが、何かしようとしてふと我に返ったり、ちょっとやましいことをしそうになって思いとどまったりする時って、自分の内なる「中の人」がその行動を立ち止まらせてくれている気がするのです。つまり、「中の人」とは潜在的な本当の人と言い換えられるかもしれません。

“誰か”の中に自分の存在理由を見いだすのではなく、“自分自身”の中に見いだすことが大切なんですよ
(美輪明宏：歌手・俳優)
名言ナビ(【HP】https://meigennavi.net/word/14/147750.htm )より

休養中は目が見えにくかったのでほぼ何もしない2週間でしたが(今ではしっかり見えていますよ)、ラジオはよく聞いていました。見えなくても聞くことで「中の人」の言葉を知り、心の目がすこし開かれたのかもしれません。先ほどの席を譲った茶髪の若者も、中の人が働いたのかも。
新しいこの一年、自分の「中の人」を探してみませんか。今年もよろしくお願いします。

院長　内田　望(うちだのぞむ)

《外来からのお知らせ》
◇休診のお知らせ　(令和5年12月14日現在)
1月19日(金) 婦人科 黒崎先生
1月24日(水) 総合診療科 内田先生
1月25日(木) 耳鼻咽喉科 水足先生

最新の休診情報は、町立病院のホームページ「診療日カレンダー」でお知らせしています。
※休日急患当番医は本紙21ページをご覧ください。

◇発熱外来
発熱や咳など呼吸器症状等のある人は、発熱外来で対応します。必ず、事前にお電話(【電話】75-2332)いただき受診方法をご確認ください。
対応時間：13：30～(受付時間：8：30～14：00)

〈お子さんをお持ちの人へ〉
小児については、小児科医による診察が望ましく、かかりつけ小児医療機関や埼玉県新型コロナウイルス感染症県民サポートセンター【電話】0570-783-770(24時間対応)に電話などでご相談ください。

問合せ：国保町立小鹿野中央病院(小鹿野町小鹿野300番地)
【電話】75-2332
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