■「全国地芝居サミットinおがの」を開催して
10月19日(土)、20日(日)の2日間、第27回全国地芝居サミットinおがの(兼ねて第52回小鹿野町歌舞伎・郷土芸能祭)を開催いたしました。全国地芝居サミットは平成18年以来、小鹿野町では2回目の開催になります。
全国地芝居サミットは、公益社団法人全日本郷土芸能協会、全国地芝居連絡協議会(現在同協議会議長は、小鹿野歌舞伎保存会顧問、小鹿野町広報大使でもある山口清文氏が務めています。)及び開催地の自治体・地芝居保存団体によって開催されています。平成2年から平成27年にわたって延べ26回、全国各地で開催されてきました。平成27年に愛知県豊田市で第26回のサミットが開催されましたが、その後の開催地が定まらず、コロナ禍の時代に入ってしまい開催ができずにおりました。そうした中、令和5年に新型コロナ感染症の5類への移行などを踏まえ、「花と歌舞伎と名水のまち」である小鹿野町が、令和5年に木造新庁舎が竣工し、小鹿野歌舞伎保存会が結成50周年を迎えたり、更には歌舞伎のまちづくり事業が30年を経過したことなどから、小鹿野町へ白羽の矢が当たり、今回のサミット開催の運びとなった次第です。
今回のサミットの目玉は、小鹿野歌舞伎上演形態の特徴である屋台芝居でした。全国の屋台で歌舞伎を上演する所は、20か所ほどですが、ほとんどが屋台本体の狭い舞台だけで芝居を演ずるため子ども歌舞伎となっています。小鹿野町の屋台では、屋台の両側に張り出し舞台を組み立て、床面積を約4倍に広げ、装飾も豪華で絢爛たる勾欄を広げ小型の屋台ともいうべき両芸座を置きます。そこで大人が歌舞伎を演じるのは、全国的に見ても秩父地方だけといいます。
前回の平成18年のサミットでは春日町屋台を小鹿野中学校第一体育館に設置いたしましたが、今回も前回に続いて春日町屋台を新庁舎の南側駐車場に設置していただき屋台芝居を披露することができました。春日町屋台関係者の皆様には今年の春祭り終了後から様々な準備をしていただき、大変なご尽力を賜り、誠にありがとうございました。お陰様で心配していた天気も持ち、全国の地芝居団体の皆様に小鹿野歌舞伎の特徴である屋台芝居を堪能していただいたことは、とても良かったと思います。
また、今回のサミットのもうひとつの大きな目玉は、小鹿野町倉尾日尾地区に小田原北条氏が鉢形城の出城として設けた「日尾城」にまつわる伝説をもとに、町内在住の高田哲郎氏が創作した新作歌舞伎「日尾嶽山誉寒梅」を披露することができたことでした。全国の地芝居団体でも新作歌舞伎を披露できるところは少なく、そうした意味でも小鹿野歌舞伎保存会の底力を全国的にも知らしめることができたものと存じます。また、この新作歌舞伎の子役として高田氏のお孫さんも出演し、りっぱな演技を披露し、多くのお客様の涙を誘いました。
更に地芝居団体の皆様との交流会では、西秩父料飲店組合様による郷土料理などを提供していただき、大変喜ばれました。
このように多くの関係者の皆様のお力添えで第27回全国地芝居サミットinおがのが盛大に開催できましたことに厚く御礼申し上げますとともに、「花と歌舞伎と名水のまち・小鹿野」が全国発信できたことを町民の皆様にご報告申し上げます。
小鹿野町長 森 真太郎
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