■集落支援員からのお知らせ
集落支援員(地域交流支援員) 本 奈代子
◆おがの・地域ネットワーク:上郷・健交サロンのご紹介
小鹿野町藤倉の上郷集落(倉尾7区8区)は、平均年齢約75歳、人口約65人のいわゆる限界集落ですが、2016年に全戸参加のコミュニティ『健交サロン』が発足されました。「健康増進」と「交流」を二本柱とした取組で、こじか筋力体操やペタンクやボッチャ、お花見や新年会などを楽しみつつ、健康への知識向上を図る研修会も行い、お互いに助け合える地域づくりを目指して活動しています。
◇『健交サロン』取組の経緯
▽2014年民生委員だった住民(浅香繁氏)が、地域を全戸訪問した際、孤立する高齢住民の多さ・交流の希薄さに気づき危機感を抱く
▽2016年健交サロンを発足。毎週開催されるサロンでは「楽しい」をモットーとしつつ、必ず、困りごとなどを話し合う場を設ける。急病時の対応手順の見える化や、災害時の避難名簿の作成、「お散歩見回り隊」のなど画期的なアイディアが生まれていく
▽2019年大型台風時には、事前の話し合いにより58人が無事に避難
▽2022年参加満足度を測るアンケートを聴取(※図1)美しい故郷を未来に残そうと「花の会」発足
Q.健交サロンに参加していかがですか?
・健康維持ができている。(高橋和巳さん)
・家にいるだけだと皆さんに会えないけど、出てくると楽しい(飯塚もとえさん)
・振り返ると色々あり、胸がいっぱい。(斉藤シズコさん)
・当初はなんとなく面倒くさい気もしたけど、今では楽しみになっている。(高橋としこさん)
・参加当初は皆さんの体力についていけなかった。ゲームは笑いが生まれて楽しい。(浅香美晴さん)
・仕事をしながらの参加だが、皆さんとおしゃべりできて、一番楽しい時間。(新井淳子さん)
・ここに出てくるようになって明るい性格になった。(新井澄子さん)・出られるとき、歩いて来るだけでも良いこと。(新井ケサヨさん)
・家から近く、賑やかだから来ている。あると雰囲気が全然違う。(新井すず子さん)
・転びにくくなったし、年をとっていない感じがある。(高橋カツミさん)
・自分は夫婦でお世話になっているが、男性がもう少し出てきてくれると嬉しい。(飯塚隆太郎さん)
・目が不自由なので、春のお花見が終わったら引っ込みがちではあるが十分楽しませてもらった。(高橋慶光さん)
Q.読者の皆さんへメッセージはありますか?
高齢化というのは人生でいう冬を迎えること、備えが必要ではないでしょうか。何もしないとみるみるうちに地域も人も衰弱していきます。まずは、みんなが集まり話し合いをしていくと人々に安心感が生まれ、楽しい地域になっていくのだと手応えを感じています。(浅香繁さん)
《健交サロンから学ぶこと》
今年2月には上郷生活改善センターにて「まちづくり座談会」を開催し、町長や町職員と意見交換を行いました。上郷集落は小鹿野町の中でも高齢化率が高い地区の一つですが、上郷集落が直面している課題は、数年後にはさらに多くの地域の課題となるかもしれません。小鹿野町が総合振興計画でも掲げている戦略のひとつに「住民自治」がありますが、住みやすくなるよう話し合い、地域で解決できることは自分たちの手で行い、行政とも対話している健交サロンは、まさに「住民自治」のお手本だと感じました。
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