◆小鹿野町は消滅可能性自治体?
4月24日に有識者で組織する人口戦略会議(議長=三村明夫・日本製鉄名誉会長)が、2020年から50年までに全国1729自治体の約4割にあたる744自治体で20~39歳の女性人口が50%以上減少し、いずれ消滅する可能性があるとする分析結果を公表しました。
埼玉県内では、小鹿野町を含む16自治体が消滅可能性自治体として指摘されました。同様の分析が2014年に現日本郵政社長の増田寛也氏が座長を務めた日本創生会議から発表され、896自治体(小鹿野町も含まれる)が消滅可能性都市として挙げられましたが、今回の調査でその数は若干減少しました。
新聞報道によりますと、前回の日本創生会議の調査で東京23区で唯一、消滅可能性都市として指摘された豊島区は、今回の調査では脱しましたが、人口が増えた分の3分の2は外国人が占め、女性1人が一生に出産する子どもの数を示した「合計特殊出生率」は東京23区で最も低い数値で、今回の調査では人口流入は多いものの出生率が低い「ブラックホール型自治体」に位置づけられました。埼玉県内では、蕨市、毛呂山町が同様な自治体に位置づけられました。
小鹿野町は、前回も今回も消滅可能性(都市)自治体に位置づけられましたが、推計上の数字では、やはりかなり厳しい状況が予想されます。また、当町での出生者数を見ると令和3年度が22人、令和4年度が29人、令和5年度が22人とこの3年間は20人台で推移しております。本年度は更に厳しく20人を割り込む予想となっており、少子化のスピードは加速化しています。
当町では少子化対策について今まで手をこまねいていた訳ではなく、医療費の18歳までの無料化をはじめ、学校給食費の無償化も県内でもいち早く導入し、更に学校教材費の一部無償化、高校通学費補助なども行っています。子育て支援をワンストップで行うための子育て包括支援室(令和5年度からこども課)を組織したり、幼稚園と保育所の機能を一元化したおがのこども園の設置など、手厚い子育て支援策、少子化対策を行ってまいりました。
しかし、これらの施策だけでは、若い女性の流出は防ぎきれないことも明らかになって来ています。大学等の高等教育機関へ進学する女性が増え、卒業後は都内への企業、事業所等へ就職し、生まれ故郷には戻らないケースが増えています。
ある識者は、「多くの地方では女性に偏った業種・職種、やりがいのない仕事を主に用意して変わることがなかった。東京へ出て行ったのは、子育て期も夫婦でジェンダーレスな共働きを理想とする令和世代の若者たちが多く、男女を問わず、生涯働ける雇用の創出が求められている。」と述べられています。
若者にとって魅力ある雇用の創出は喫緊の課題であり、また、起業を支援する施策の充実もしていかねばならないと存じます。
そして、消滅可能性自治体であるから何にもしないであきらめることが一番町の衰退を早めることにつながると思いますので、将来を見据えながら町民と一体となり持続可能なまちづくりのための様々な施策を進めてまいりたいと存じますので、ご理解ご協力をよろしくお願いします。
小鹿野町長 森 真太郎
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