■集落支援員(地域交流支援員) 本 奈代子
◇おがの・地域ネットワーク:第5回&第6回連絡会
▽第5回連絡会
令和6年10月21日に、上野村在住の哲学者、内山節先生をお呼びし、両神ふるさと総合会館にて講演会を開催しました。内山先生の著書の愛読者でもある明治大学中川秀一先生にも進行をサポートいただき、地域ネットワーク関係者など合わせて34人が参加しました。内山先生とは昨年5月、6月に開催された「ローカルサミットin武蔵国ちちぶ」でご縁をいただきました。
テーマは「私の村・群馬県上野村、そして小鹿野町の未来」。75分のご講演のあと、1時間ほどのディスカッションを行いました。
講演では、「小さくても自立する上野村と、明治期より交流が盛んであり独立心の強い小鹿野町の比較」「生者、自然、死者、神仏が共に暮らしていると捉える日本人の社会観」「外部を受入れ交流を拓いていくことで地域の持続性が高まる」などを演説いただき、加えて、中川先生より「人と人、人と自然、過去と現在、現在と未来とそれぞれの関係性の中で時間世界が共有されている」という内山先生の考え方を共有いただきました。
ディスカッションでは、会場からの「地域と行政の理想の関係性は?」「心とは何か?」といった質問に内山先生が応え、相づちや笑いが生まれる光景もありました。
個人的には「いま結ばれているものの関係性に目を向けることができれば小鹿野町にはまだまだ可能性はある」と示唆いただいたと感じています。
▽第6回連絡会
令和6年12月18日に、『上郷健交サロン』の拠点である上郷生活改善センターにて開催し、地域ネットワーク団体メンバー20人、役場関係者10人が集いました。
まず、『上郷花の会』によって約2,000本が植えられた植栽地を見学した後、上郷健交サロンに参加し地域住民に混ざり『ボッチャ』を体験しました。
その後、浅香繁事務局長から上郷地区が直面している課題とその対策としての『健交サロン』について、これまでの軌跡や成果を伺いました。参加者からは、「この山奥で週一回みんなが集まるというのは、地域ネットワークの団体のなかでも一番進んでいる」「やりたい人が勝手にやっているのではなく合議制で進めている点がすごい」など感想が寄せられました。
事後には、「住民が気持ちよく過ごすための地域づくりを自分たちの手で行いたい」「地域ネットワークで草刈りなどを手伝い合えないか」「荒川水系の最上流域としての下流域の人たちと関係を築けないか」などこれからの『おがの地域ネットワーク』の方向性のヒントにもなりそうな声を聞くことができました。
※『おがの地域ネットワーク』とは、小鹿野の地域に根付き、自然や文化資源などを活かして地域の活性化を図る団体が相互に啓発するネットワークです。
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