「病は気から」
幸手市長 木村純夫
私は、丸10年間の病院勤務生活で、医療知識について幾分「門前の小僧習わぬ経」を読みました。同じ薬でも患者さんがそれを「効果ある」と信じて飲む時と「効くものか」と思って飲む時や、医師との信頼関係の粗密(そみつ)により、効果や治癒力に差違を生じる事が知られています。そして、病気は医師のもと、しっかり病を治す事が何より大事ですが、病は単に肉体だけに関するものではなく、心にも関係しています。「無病息災」に越したことはありませんが、私は「一病息災」も大切にしています。「一に看病、二に薬」の諺(ことわざ)もあります。健康の健は「すこやか」と読み肉体を、康は「やすらか」と読み心を表します。「病は気から」は、「病気は気で勝つ。百病は気から起こる」とも言います。随分以前の話になりますが、作家の五木寛之氏の講演が宇都宮市であり、「やるせない時は遠慮せず、大きなタメ息を何回かつく事」を推奨されていました。「笑う門(かど)には福来る=笑いは人の薬」。
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