■未来へ続くまちづくりを。
今月号の特集「埋蔵文化財が語るいにしえの志木」では、イヌを模したような動物形土製品や、把手(とって)が人の顔の形をした縄文土器など、ユニークな文化財が紹介されましたが、どのくらいご存じでしたでしょうか?志木市の文化財といえば、ほかにも国の重要有形民俗文化財に指定された、かつての引又宿(江戸時代の本町付近)の経済力と人々の富士山信仰を今に伝える「田子山富士塚」や、宗岡の稲作を江戸時代から支え、明治時代に改修された「いろは樋」の一部であるレンガ積みの「いろは樋の大枡」など、魅力ある文化財が、街のあちらこちらに存在します。埋蔵文化財保管センターや郷土資料館にも足を運んでいただき、志木市の歴史に思いを馳せてみてください。
さて、今年も残すところ1か月を切りました。12月は「師走」とも呼ばれ、これは師僧が経をあげるために東西を馳せる月であったところから、師馳す(しはす)…「師走」となったという説は有名ですが、私自身は、年末はもちろん、1年間を通じて慌ただしく走り回り、新たなプロジェクトを進めてきた1年と感じています。
振り返ると、2月に市民活動や交流の拠点であるふれあい館「もくせい」がリニューアルオープン。3月には市民会館が閉館し、市民会館と市民体育館の機能をあわせもつ新複合施設の整備に向け、解体工事に着手しました。昨年7月に完成した新庁舎が2023年度グッドデザイン賞を受賞しましたが、新複合施設も魅力ある施設となるよう整備を進めていきます。また、5月には土・日曜日、祝休日も開所する市民サービスステーションが開設し、7月末には国道254号和光富士見バイパスが部分開通するなど、まちづくりが大幅に前進した1年となりました。
一方で、利用者がピーク時と比較して大幅に減少するとともに、老朽化した車両の維持費や燃料費の高騰により事業費の増加が続いていたふれあい号について、町内会や利用者の皆様へ、説明会などを通じて来年度からの廃止をお示しした年でもありました。限られた財源の中でも社会情勢の変化に伴う新たな福祉サービスを充実していくためには、事業の取捨選択が必要です。苦渋の判断ではありましたが、まちづくりを通じて1人でも多くの笑顔を作ることが、行政の使命であり、私の信念でもあります。人口減少や加速する少子高齢化…、先行きの厳しい将来ではありますが、課題を見極めながら先送りにせず、市民皆様のまちづくりへの思いと、丁寧な説明を大切に、未来を切り開いていきます。
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